全国高校総体サッカー埼玉県南部支部予選 代表決定戦 南稜 vs 大宮開成

高校総体南部支部予選・代表決定戦。南稜高校と大宮開成高校の一戦は2ー1で南稜が勝利し、県大会出場を決めた。南稜は前後半の早い時間にFW佐藤優太が2ゴール、大宮開成は後半アディショナルタイムに途中出場のMF山本悠登が1点を返したものの反撃及ばず敗れた。


序盤の主導権争いの中で試合が動いたのは前半9分。南稜はMF久保直紀のスルーパスに抜け出した佐藤がキーパーとの1対1に「先制点はやっぱり大事。ギリギリのところだったんですけど、足を伸ばせば届くくらいだった」と右足を目一杯伸ばして足先で流し込んで先制した。

中盤以降試合のペースを掌握した南稜は前半18分にはDF加賀幸汰のロングフィードからMF岡本怜央が相手キーパーを交わしたが、シュートは角度がなくゴール上に外れる。その後も岡本やMF繪鳩康太らが次々と狙っていったが、大宮開成も主将のDF横山雄己の気迫のこもったディフェンスに呼応するように全員で集中して守りきり、それ以上に失点は許さなかった。

後半も南稜がボールを握る展開。FW樋口航大のヘッドはキーパーの好守に阻まれたが、直後の5分に再び佐藤がスコアを動かす。左サイドでボールを受けると角度のないところからゴール右隅に突き刺した。「利き足じゃない左足で自信はなかったんですけど、良いコースにいって良かったです」。新人戦ではディフェンス登録だったが、春合宿以降は1年次に務めていたフォワードに復帰。武器はスピードだと話す背番号16のこの試合2点目でリードを広げた。

しかしこの日は攻め込みながらも得点が続かず。後半14分の樋口のシュートはポストを直撃、30分にはFW源内遥斗の突破から繪鳩が狙っていくが大宮開成GK久米雄斗に防がれた。

大宮開成は後半アディショナルタイムにFW仲田柊のクロスから山本が押し込んで意地の1点を返したが反撃もここまで。2ー1で勝利した南稜がブロックを制し県大会切符を掴んだ。

それでも試合後に選手たちから聞こえてきたのは反省の弁。ゲームキャプテンを務めたDF藤永壮太は「全然ミスが多くて声も出ていなかった。ディフェンスラインは最後まで集中を保つことができなかった。結果は勝ちだけど内容はダメでした」。2得点の佐藤も「フォワードの連携がうまくいかなかったり、いつもの南稜のサッカーができなかった」と悔いを口にした。前後半合計21本のシュートを放った中で、得点2というのは満足できる数字ではないだろう。

主将のDF堀内慶汰は新人戦で敗れた西武台戦を振り返りながら「今日感じたのはあれからあまり進歩がないということ。やっぱり自分たちの練習が甘いっていうのをすごく感じました」。

「もっと意識を上げていかないと県では勝てない。死ぬ気で頑張って県を獲りにいきたいと思います」。この気持ちを糧に県予選までの残り1ヶ月で今日足りなかった部分を詰める。

石黒登(取材・文)

試合結果

南稜 2-1 大宮開成

1(前半)0
1(後半)1