[女子選手権]南稜はオール3年生で臨み7発快勝。未経験組も多かった代、それぞれがスタイル体現「すごく成長を感じた」
令和7年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会の2回戦が23日に戸田宗右衛門公園会場ほかで行われ、初優勝を目指す南稜と熊谷女子が対戦。7-0で南稜が快勝し、ベスト8に進出した。
南稜は中2日の状況や初戦の消耗を鑑み、この日はオール3年生のスタート。普段はなかなかトップチームでの出場のない選手も多かった中、それぞれがチームのスタイルを体現し快勝した。
南稜は前半2分、DF伊藤桃帆(3年)の右CKからFW岡山絵子(3年)がヘディングで決めて幸先良く先制すると、12分にはゲーム主将のMF田中千遥(3年)が繋ぎ、オーバーラップした右SBの船田小埜花(3年)が右足のシュートを対角に流し込んで早々に追加点を奪った。
南稜は「ダイレクトのパス交換だったり、普段から練習していたので、ワンツーとかも含めてうまくできたかなと思います」と田中や10番のエースMF高橋咲来夢(3年)、MF庄野歩乃佳(3年)を中心にパスを繋ぎ、岡山を使った攻撃やそこに高橋咲が絡んで攻撃を繰りだしていく。
16分にはFW角張叶夏(3年)のクロスに高橋咲が走り込みゲット。前半終了間際の35+1分には高橋咲が左サイドを抉り、マイナスのクロスを田中が決めて4-0とし、試合を折り返した。
後半は点差もあった中で、1回戦で出場時間の少なかった選手や怪我明けの選手がピッチへ。その中で7分にはMF松原璃桜奈(1年)が右足ミドルシュートを右隅に突き刺し5点目。15分にはMF高橋未来(2年)が起点を作り、中でクロスを収めたMF岡田麻里(3年)が沈めた。
33分には前線で収めた角張のシュートのこぼれ球をMF新井つばさ(1年)が決めるなど、7得点を奪った南稜が7-0で快勝。室野竜吾監督は「3年生もリーグ戦から良いアピールをしてくれていた。今回思い切ってターンオーバーして、準決勝に向けて温存しながらしっかり勝ちきるっていうところを3年生中心にやってくれたのは良かったと思います」と試合を振り返った。
「3年生は半分くらいが高校からサッカーを始めたとか、中学時代にやってこなかった選手が多い中でこれだけ綺麗なサッカーをできるというのはすごく成長を感じるところでした」(監督)
CBを務めた伊藤は、小学校時代にサッカーをやっていたものの、中学校時代はバトミントン部。それでも「高校ではやると決めていました」と女子サッカー部のある高校を調べ南稜に入学した。
この日はCKから先制点をアシストしたほか、「めっちゃ練習しました」と3年間蹴り込んできた左足のキックで攻撃の起点となるプレーも。「最初の円陣がめっちゃ泣きそうで、マジでめっちゃ感動しました」。副部長も務める田中は「初めて3年生全員でやれてとても楽しかった。モチベーションが低い時とかもあったんですけど、今日があって幸せです」と最高の笑顔を見せた。
「これからが勝負。出られなくてもちゃんとみんなのサポートと、出たらちゃんと自分が結果を残せるように気を抜かずに頑張っていきたい」と田中。チーム一丸となって埼玉の頂点獲りに挑む。
石黒登(取材・文)
試合結果
熊谷女子 0-7 南稜
0(前半)4
0(後半)3