[学総]昨年はひとつ上の代が初出場で全国3位に。“先輩たち超え”を目指す西武台新座中が朝霞地区連覇!

令和7年度朝霞地区学校総合体育大会の最終日が6月24日に行われ、決勝は西武台新座中と和光大和中が対戦。西武台新座中が3-0で勝利し、初優勝だった昨年に続き大会連覇を飾った。

初の全国で3位に輝いた先輩たち越えを目指す代が躍動した。昨年度の覇者・西武台新座中は立ち上がりからゴールに迫ると前半22分、MF西澤新斗が絶妙なスルーパス。これに県大会掛けの準決勝・朝霞第一中戦で2得点のFW吉井斗真が抜け出し右足で流し込んで決勝も先制した。

1-0で折り返すと、後半も左サイドで西澤が推進力のあるドリブルで運び出して何度もチャンスメイク。また、ミドルシュートを得意とする10番の佐藤壮悟が果敢にゴールを狙っていく。

9分には佐藤の右足アウトサイドにかけたスルーパスをFW薄井アンディがしっかりボールキープしてポストプレー。これを西澤が右足で流し込み、2試合連続となるゴールで引き離す。

まずは1点を返したい和光大和中は終盤クロスからゴールに迫り、30分にはMF細川俐歩が決定的なシュートを放ったが、ここは西武台新座中の注目守護神・岡田悠汰がファインセーブで防いだ。西武台新座中は31分、途中出場の3選手が絡み、最後はFW瀨川拓睦が決めてダメ押しとなる3点目を奪い、チームとして初のタイトルだった昨年大会に続き、朝霞地区を制覇した。

この日は準決勝、決勝と連戦だったが、「そういう状況も見据えてトレーニングしている」というチームは最後まで走り負けない強さを発揮。また、フィジカルやスピードを特徴にするチームに対し、「オフ・ザ・ボールの関わりと足下の技術で勝とうと送り出して、しっかり体現してくれたのかなと思います」と山﨑健吾監督が話すように攻守で個々が関わり合いながら圧倒した。

昨年はひとつ上の先輩たちが地区大会で公式戦初のタイトルを獲得した勢いそのままに県大会も初制覇。さらに地元開催だった関東大会を初めて突破すると、全国大会でも暁星国際中や浜松開誠館中を連覇して準決勝に進出。青森山田中に敗れたが、初出場で全国3位と大きく躍進した。

山﨑監督は「対戦相手から、環境から、やっぱり全国の景色はすごかった。この子たちは1年生の時に(先輩が出場した)関東も見ているし、2年の時には全国を見ている。だからそういった景色は見えているはずだし、そこへの意識っていうのはほかのチームよりは絶対強い」と話す。

一方で新チームスタートとなった、新人戦は地区予選敗退と悔しい結果に。その中で指揮官は「サッカーに取り組む姿勢とか、サッカーへの意識っていうのはガラッと変わったかなと。先輩たちを見て、全国、全国って口では言ってましたけど、本気でそこを目指してくれるようにもなりましたし、技術とか忍耐力とか精神力とか体力とかいろいろ上がったとは想いますけど、そこが一番大きく成長してくれたのかなと思います」と意識のスイッチが一個切り替わったと語る。

攻守でチームを支える主将のMF川元太陽も「やっぱり新人戦に負けたからこそ、もっとやらなきゃなって。その分、きつい練習も増えましたけど、この練習をやれば強くなれると思ってやってきて、そのおかげで勝てたと思います」。準々決勝では2ゴールを奪い、準決勝、決勝でもアシストなど得点に絡み続けた佐藤は「(新人戦の時は)得点力が全然なかった。パス1つ、シュート1つはかなり練習してきて、自分が取ってやるんだっていう気持ちはあります」。各々が目標を達成するためにそれぞれの課題と向き合いながら成長したことが地区2連覇に繋がった。

今年の3年生はスタートの段階で8人と少なかった代。その中で2年生たちの助けも借りながら、準決勝、決勝でも川元や佐藤、西澤、吉井、岡田、守備の要の秋間太伸と3年生たちがチームを力強く牽引した。西澤は「自分たちは全国に行くためにやっているので、まだこれは通過点。やっぱり県でもしっかり一個一個勝って、関東とか全国に行って、一個上より良い結果が出せるように頑張りたいです」と意気込み。先輩たちの背中を追う代がまずは県大会で連覇を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武台新座中 3-0 和光大和中
1(前半)0
2(後半)0