[総体]昨夏日本一もマインドは「チャレンジャー」。長&山口“2枚看板”揃い踏みの昌平、浦和南に4発快勝で決勝進出!
11日、令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会準決勝がNack5スタジアム大宮で行われ、連覇を狙う昌平が浦和南に4-0で快勝。昌平は15日(Nack5)の決勝で西武台と戦う。
近年、好勝負を演じる両雄の一戦。同舞台では2年前に対戦し、浦和南がPK戦で勝利していた。
浦和南は昌平のボール回しに対し、前線からプレスを徹底して嵌めに行き、ファーポストまで届くDF稲垣嶺(3年)のロングスローからゴールに迫る。6分、遠投からの流れからCB嶋田翼(3年)が、16分にはニアに入ったCB藤政憲二(3年)が惜しいヘディングを放っていった。
一方、昌平もMF長璃喜(3年)が中盤からドリブルで加速しながらゴールエリア内に侵入していく動き。すると18分、FW齋藤結斗(3年)とのパス交換で右SBの安藤愛斗(3年)がサイドを破ると、グラウンダークロスからゴール前に走り込んだ長の2試合連続ゴールで先制した。
33分にはCB高橋心晴(3年)の縦パスに抜け出た10番MF山口豪太(3年)が右足ワンタッチで決めてゲット。芦田徹監督も「やっぱりあそこらへんのクオリティっていうか、最後の勝負強さみたいなのは、彼らのやっぱり質の部分としては、チームとしてはとても助かっているし、そういった意味では良かったと思います」と話す2枚看板が質の高さを見せて相手を突き放す。
さらに前半終了前の38分には、山口の右CKから中で186cmの長身DF伊藤隆寛(3年)主将がドンピシャのヘディングで合わせて3-0。昌平が大きくリードする形で試合を折り返した。
浦和南は38分にMF坂斉佑太(3年)を、HT明けから得点力のあるMF八木航汰(3年)を投入。後半5分には坂斉のFKから藤政が頭ですらす形で狙ったが、惜しくも枠を捉えなかった。
昌平は後半も山口がパス交換からエリア内に侵入していくプレー。20分以降は連続してカードを切っていく。31分には途中出場のU-16日本代表DF笠原慶多(1年)が右サイドで落とすと、MF飯島碧大(2年)がカットインから左足を振り抜いてダメ押しとなる4点目を奪った。
浦和南は35分、右CKからの流れでこぼれ球を左SBの大庭比呂(3年)が右足ダイレクトで狙ったシュートが惜しくもゴールポストをかすめたが、最後までネットを揺らすことができなかった。昌平が川口市立戦に続き、2連連続の4-0で快勝し決勝進出。連覇に王手をかけた。
守備では徹底してロングスローや裏を狙ってくる相手に対し、焦れずに対応。芦田監督も「よく対応したんじゃないかと思いますし、一個一個しっかり競ったりだとか、カバーしたりだとか、そういったことをまだパーフェクトじゃないですけど、意識を持ってやれた」と評価。伊藤は「相手のロングボールに対してチャレンジ&カバーの部分を徹底するっていうのは試合前のミーティングで話していて、1人が競りに行って、その他の選手が動きを止めずに全員でそういう意識を持ってやれたので、今日はボールも拾えていたし、良かったなと思います」と手応えを語った。
今年は全国連覇のチャンスもあるが、芦田監督は「もう間違いなく1個1個です」と強調。それは選手の中でも共通認識だ。山口は「去年と今年は別のチームなので。今年はもう一回、イチからチャレンジャーとしてやっていこうっていう話はみんなでしているので、1つ1つやっていきます」と話した。2戦連続の大勝にも緩むことなく臨み、まずは県決勝を制すことに集中する。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 4-0 浦和南
3(前半)0
1(後半)0