[総体]昌平が川口市立に4発快勝で“初戦”突破!MF長璃喜が1G2Aで別格のパフォーマンス

令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会準々決勝が8日に昌平高会場ほかで行われ、昨年覇者の昌平が今大会初登場。“初戦”は4-0で川口市立に快勝し、準決勝進出を決めた。

昌平はU-16日本代表FW立野京弥(1年)が故障で今大会メンバー外に。10番のMF山口豪太(3年)も体調不良でスタメンを外れたが、その中でも抜群の強さを発揮し初戦を突破した。

相手の高いライン設定に対し、立ち上がりからFW齋藤結斗(3年)や左SH長璃喜(3年)が裏を狙う動き。また、山口に代わってスタメン出場し、指揮官も「よくボールに関わっていた」と話すMF佐伯優斗(3年)やDF安藤愛斗(3年)の右サイドから良い攻撃を見せていた。

川口市立もCB阿部龍大(3年)を中心に集中して守り、10番MF齋藤羽(3年)主将が相手のシュートに食らいつくディフェンスを見せていたが、昌平は18分、佐伯の縦に刺すパスを起点に安藤がクロスを上げると、ゴール前に走り込んだ長が左足ダイレクトで合わせて先制した。

36分には「今日は(相手の)ラインが高くて、裏に抜けるとチャンスになるっていうのがわかっていたので積極的に裏に抜けたいなと思っていて。裏に抜ける人が少なかったので自分が行こうと思いました」という長が安藤につけながら逆サイドの裏のスペースまで抜け出し。長のマイナスのクロスをMF飯島碧大(2年)がコントロールし、左足で流し込んで追加点を奪った。

川口市立は13分にロングスローからFW浅田奏汰(2年)が迫り、30分にはこぼれを阿部龍が狙ったが、決めきれなかった。40分にはFW杉本響(3年)の強シュートがGK正面をついた。

昌平は2-0で折り返した後半8分には、長が今度は中央でボールを持つと、ドリブルでエリア手前まで運び出しパス。前を向いた齋藤が右足でゴール上部に豪快に突き刺して3点目とした。

中盤以降は積極的にメンバーを入れ替えながら、山口やU-15代表候補歴もあるFW白須裕基(2年)がピッチへ。38分には白須がハーフウエーライン付近から独走。このシーンは決めきることができなかったが、その2分後に山口のクロスからヘディングで突き刺し、ダメを押した。

初の県大会での采配となった芦田徹監督は「カップ戦は負ければ終わり。それはどこのチームも一緒だと思うので、本当に一戦一戦、自分たちができる準備を最善を尽くしてやる」とコメント。その中で「本当に取るべきやつらが取ったり、そういったところは大きかったと思う」と話す。

中でも長は1ゴール、2アシストの活躍。「毎試合ドリブルは意識していて、ドリブルからの得点はなかったので、次の試合はそういうドリブルでチャンスメイクすることを意識したいんですけど、今日は相手を見ながらどうすればいいのか判断できたので、そこは良かったかなと思います」。山口がベンチスタートとなった中で「自分が」という気持ちも持っていたという注目MFは得意のドリブルができない中でも剥がす技術や判断で、ひとり別格のパフォーマンスだった。

一方、川口市立・岩井厚裕監督は「(昌平は)うまさもあるし、タフ。そういうチームを倒すためにもっとうちはタフにならないといけない」。また、少ないチャンスの中で「守備で取った後の1本を大事にしないと」とマイボールにした後の周りのサポートを課題に挙げた。

それでもこの舞台でトップレベルを体感できたのは貴重な経験値。「自分もそうだったけど、良い選手と良いチームから学ぶべきことがたくさんある」。これで初だった関東予選に続き、2大会連続のベスト8。この経験を繋げて、選手権予選ではもうひとつ上の景色を目指す。

試合結果
昌平 4-0 川口市立
2(前半)0
2(後半)0