[総体女子]昌平、総体予選初制覇!エース松井のPK弾で花咲徳栄を振り切る。地元開催の関東大会へ、山田主将「絶対インターハイに」
令和7年度埼玉県学校総合体育大会(高校サッカー女子の部)決勝が10日に浦和駒場スタジアムで行われ、昌平が1-0で花咲徳栄を下し、大会初優勝。新人戦に続き、今季2冠目を飾った。
昌平は昨年、新人戦で県初優勝を果たし、連勝を狙った前回大会でベスト8で涙。その後、選手権予選も制したが、昨年の選手も多い今年の代にとってここを勝つことはひとつの命題だった。
森田光哉監督も「どうしても欲しかったタイトル」と話し、エースFW松井美優(3年)は「去年はあっけなく終わってしまったので…。「今年は絶対に取るぞ」という気持ちで、まずは埼玉県で勝つことを目標に、関東大会とか上を見ないで、とりあえず一戦一戦を大事に戦っていこうとチームでやっていた中で集中を切らさずにやれたと思う」と臨み、初の総体タイトルを掴んだ。
準決勝で因縁の南稜を4-0で下し、迎えた決勝戦。昌平はこの日も松井が前戦で強さを発揮しながら攻撃を牽引。MF山田仁菜(3年)主将、10番MF鈴木志真子(3年)を軸に組み立てながら準決勝2ゴールのMF鈴木海音(1年)やMF勝山あゆみ(3年)がカットインから迫る。
一方、2年ぶりの大会制覇を狙う花咲徳栄も、GK須川杏莉(3年)主将が声をかけながら相手エースにマンツーマン気味に対応したDF小池杏怜(3年)、DF土肥七々莉(3年)のCBコンビを中心に球際にしっかりといきながら粘り強い守備。昌平は相手の速くて強いプレスに対し、前でなかなか収めきることができず、森田監督も「やっぱり徳栄さんの球際の激しさであったり、戦術的に、技術的に高い選手が多い中で思い通りにいかなかった」と前半の35分間を振り返る。
昌平は後半、4-2-3-1から3-6-1にシステムを変更し、相手とのミスマッチの状況を創出。「前半は中に中になりすぎていたんですけど、後半はサイドがワイドになって、サイドを使いながらいけていた。あとはサイドハーフが持った時にトップ下とかFWがサイドに流れてきたので、それも結構良かったと思います」(山田)とサイドを交えて相手に揺さぶりをかける。
すると昌平は20分、左サイドからのクロスを中央で収めた勝山が相手のファールを誘い、ペナルティキックを獲得。エースの松井が右足でキーパーの逆を突いて左サイドに突き刺して先制した。これが結果的に決勝ゴールとなり、昌平が1-0で花咲徳栄を下し、大会初優勝を飾った。
昌平は昨年関東2部リーグで2位に入り、今年は世代最高峰の関東1部に昇格。大会前の4月20日に行われた開幕節では昨年覇者の日テレ・東京ヴェルディメニーナと対戦し、0-3で敗れた。
「U-18年代ではもう確実に日本一のチーム。どうにか勝ちに行くよっていうところでリーグ戦は入った中でやっぱり強かったっていうところがもう本当に正直なところ」(監督)。現段階でスコア以上の差を感じたことも事実。その中でも「ただ沈むことなく、とにかくプレッシャーをかけ続けて、とにかくボールを保持して、攻め続けようっていうベースは90分間、日本一のチームにやり続けたので、その自信はあったかなと思います」とただの敗戦とせず、自信に繋げた。
昌平は24日に埼玉で開幕する関東大会に臨む。森田監督は「地元開催っていうのもありますけど、チームとしてはやっぱりインターハイに行きたい。とにかくインターハイに行きたいっていうところが一番なので、そこに向けて結果を出せればなと思います」と初の夏の全国切符獲得へ意気込みを語る。1回戦は強豪・鹿島学園とのカードに。山田主将は「本当に強いと思うんですけど、自分たちのサッカーをして、点を取って、みんなでタフに戦えば勝てると思う。関東大会でも自分たちのサッカーで全員で戦って、絶対インターハイに出たいです」。昨年は男子サッカー部が夏の全国で日本一に輝いた。今年は女子も同じ舞台に立ち、夏の北海道で躍進を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 1-0 花咲徳栄
0(前半)0
1(後半)0