[イギョラ杯]武南は3位。決勝進出ならずも、準々決勝は新人戦からの成長見せ相手を無効化「実りのある」大会に

第34回イギョラ杯国際親善ユースサッカーが20日から4日間の日程で行われ、埼玉からは武南と浦和学院の2チームが出場した。武南は予選リーグを3勝1敗の1位で勝ち上がると、準々決勝では立正大淞南に4-2で勝利。準決勝で優勝した日体大柏に敗れ、3位で大会を終えた。

準決勝は千葉の強豪・日体大柏と対戦した中で前半3分に先制を許すと、5分、8分にも連続失点したのが痛かった。20分には右クロスをヘディングで合わせられ、前半で0-4とされた。

後半は「自分がCBからボールをもらった時は相手のところに切り込んで、ボールを運んでいくっていうのを意識していた。自分が運んだら相手のプレスが来るので、サイドを変えたり、ロングボールが生きてくる。それは意識してやっていました」というMF小山一絆(2年)がドリブルで仕掛けながら空いたスペースに精度の高いボールを配球し、リズムを掴みかけた場面もあった。しかし、得点には繋がらず、後半も2失点し、0-6で敗れ、決勝進出とはならなかった。

最後は悔しい敗戦となったが、収穫も大いにあった。新人戦決勝では西武台の圧力や勢いを止めることができず敗戦。前日の準々決勝・立正大淞南戦は内野慎一郎監督も「そういう雰囲気になるんじゃないかと思った」という中で「向こうがどうだったかというよりも、こっちがうまくそれを消すことができた」というように相手の圧力を無効化することに成功し、4-2で勝利した。

一方で、準決勝は強度が一段階上がった相手の瞬間的なスプリントやパワー、うまさを消しきれずに敗戦。連続して圧力をうけた時にどうその力をうまく利用するか、相手の良さを消しつつその中でも自分たちの良さを出すこと、チャンスでしっかりと点を取りきる部分は課題となった。

それでも内野監督は「大会を通じてはものすごく実りのあるものだったかなと思いますし、チームの段階ではまだまだですけど、面白かったかなと。選手たちもここまで来られて良い経験をできましたし、最終的にこういう結果になったのは、僕としても課題を見つけられて、勝ち切っちゃって俺たちできるんだぞみたいな雰囲気よりもよっぽど良いと思います」と好感触を示した。

今後は静岡遠征や浦和カップなどを経て、S1リーグ開幕、関東大会予選に向かう。今大会は守備で貢献し優秀選手に選ばれたMF田中理月(2年)は「今日もこれだけ大量失点してしまって。しかも得点が0っていうのが自分的にちょっと心に残っているので、とりあえず失点を少なくして、攻撃でも大量得点できるように、3年生でチームを引っ張っていきたい」と力を込めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

日体大柏 6-0 武南
4(前半)0
2(後半)0