[新人戦]狭山ヶ丘、西武文理との激戦を制し西部4強入り!内容にもこだわり勝利を目指す

令和6年度埼玉県高校サッカー新人大会西部支部準々決勝(26日)。狭山ヶ丘と西武文理の一戦は互いに譲らず2-2からのPK戦で狭山ヶ丘が勝利し、準決勝&関東大会予選進出を決めた。

狭山ヶ丘は立ち上がりからボールを保持して展開。ディフェンスラインからビルドアップし、前戦では司令塔のMF髙木玲(2年)がダイレクトパスやフリックなどリズムを生み出していた。

すると前半33分、MF松山空音(1年)の右クロスから味方が競ってこぼれたボールをMF加園拓斗(2年)が的確にポストプレー。最後はMF木村徹(2年)が右足を一閃し、先制した。

一方、前半はDF小野泰成(1年)のシュート1本に終わった西武文理も後半に入り、守り方を変更。前半は1枚だった前戦からの守備の枚数を2枚に増やし、サイドでもしっかりプレッシャーをかける。その中で5分、セットプレーからMF酒匂聖斗(1年)が決めて同点に追いつく。

狭山ヶ丘は11分、MF中山琥太郎(2年)が前戦からのプレスで引っかけ、加園がシュート。こぼれ球を髙木が狙うが、決めきることができない。36分には加園がサイドを抉りクロスに髙木がダイレクトで合わせたが、枠を捉えきることができず。試合はそのまま延長戦に突入した。

西武文理はGK佐藤慧昊(1年)の攻守もあり、後半を0で凌ぐと延長前半2分、左CKから10番のMF永井涼晴(2年)主将が身体を捻りながらゴールに突き刺しついに逆転に成功する。

あとがなくなった狭山ヶ丘は延長後半2分、加園が抜け出し決定機を迎えるが、ここも西武文理GK佐藤が好守。それでも8分だ。加園が持ち味の力強いドリブルで抜け出すと、「マイナス、マイナスって呼んでくれた味方の声が聞こえた」。しっかりとサイドを抉りきり、マイナスのクロス。これを「絶対に決めてやると思っていた」という髙木が決めて土壇場で同点に追いつく。

PK戦では後攻の西武文理が1本目を外したのに対し、狭山ヶ丘は5人全員がきっちりと成功。最後は劇的同点ゴールの髙木が落ち着いて右足でゴールネットに突き刺し激戦を締めくくった。

劇的勝利にも西澤正仁監督は手綱を引き締める。新チームは「前戦からのハイプレスと、それに伴ってコンパクトな状況を作り出す」というのを求めてきた中で冬の遠征ではそれがうまくハマる場面も多かったというが、今大会では固さもあり、まだなかなか表現し切れていないという。

「そこら辺がまだやっぱりメンタルのところの弱さだと思うし、それを表現できるように、今度の準決勝もそうですけど、含めてチャレンジさせて。ただ勝っても意味がないですし、やっぱり求めていることを表現しないと意味がなくなっちゃうので」と内容にもこだわり勝利を目指す。

準決勝は強豪・立教新座との一戦に。DF小池誠一朗(2年)主将は「相手が強くなったらできないっていうサッカーはやりたくないですし、どんな相手でもできるサッカーを目指していきたい。次も厳しい戦いには絶対になると思うんですけど、これから1週間準備期間があるので、みんなで心をひとつにして、最終的に勝てて良かったねって言えるようにしたい」と話した。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武文理 2(3PK5)2 狭山ヶ丘
0(前半)1
1(後半)0
1(延前)0
0(延後)1
3(PK)5