[4種リーグ]エクセレントフィートFCが初制覇!大宮U12との打ち合い制す 大会を通して選手層に厚み、2度目の全国へ「誰が結果を出してくれるか楽しみ」

エクセレントフィートが4種リーグ初タイトル! 第18回埼玉県第4種サッカーリーグ選手権大会決勝が15日に行われ、エクセレントフィートFCと大宮アルディージャU12が対戦した。延長戦までもつれ込んだ一戦は6-3でエクセレントフィートが勝利し、初優勝。連覇となった先月のJFA第48回全日本U-12サッカー選手権大会埼玉県大会に続き、県内2冠を達成した。

「基本的には相手に合わせることなく、まずは自分たちのサッカーをしようと。それは攻撃もそうだし、守備でも主導権を握るっていうことを意識してゲームに入りました」(白根和紀監督)

決勝の相手となった大宮U12は準決勝まで無失点を継続してきたチームだが、やることは変わらない。攻撃でも守備でも主導権を持って進めること。その中で「もちろん失点しないで点を取るのが一番いいんですけど、例えばリードしているときだったり、同点のときに伝えたのは、守備で守り切るっていうよりかはもう点を取る、取り切るっていうところ。1失点しても、じゃあ2点取ればいいんじゃないかっていう、相手よりも上回るゴールを取りにいこうっていう話はしていました」と指揮官も話す、攻撃的なスタイルでエクセレントフィートが相手を呑みこんだ。

エクセレントフィートは立ち上がりから押し込んで進めると、前半8分に白石楓駕(6年)が右サイドを持ちだし、スルーパスに抜け出した島口柊斗(6年)が右足でニアサイドを打ち抜いて均衡を破った。直後の9分には大宮U12が百木田翼(6年)のゴールで追いついたが、ハーフタイム前の20分、再び白石が仕掛け、こぼれ球に島口が右足を強振してこの日2点目を奪った。

後半も互いのプライドをかけた攻撃の応酬となった。1分に大宮U12が百木田のゴールで再び追いついたが、エクセレントフィートは15分、途中出場の10番長井悠介(6年)主将がエリア内でキーパーを交わし、最後は左足で流し込んで再度勝ち越しに成功する。一方、大宮U12も一歩も引かず。その2分後の17分、10番前田侑輝(6年)主将の右クロスから百木田が気合いのこもったダイビングヘッドで決めて、ハットトリックで三度同点に追いつく意地を見せた。

試合は5分ハーフの延長戦へ突入。大宮U12は延長前半1分、奥村祐紀(6年)の右クロスから百木田のシュートがサイドネットをかすめた。一方、エクセレントフィートは2分、島口の左CKからエースFWの長井がファーサイドで角度のないところからヘディングで決めて勝ち越し。さらに長井は延長後半2分、ひとりでドリブルで持ち込んで決めてハットトリックとした。

全日本U-12予選では今決勝と同カードだった準決勝の大宮戦で2得点。決勝でも存在感を見せていた10番は大会後、腰の違和感を訴えていたこともあり、今大会は限定的な出場となった中で準決勝の戸塚フットボールクラブジュニア戦では0-2の後半31分にチームを勇気づける追撃弾を奪い、そしてATに値千金の勝ち越しゴールを挙げ、劇的勝利に立役者に。この日も限られた出場時間で結果を残したエースFWは「ベンチで「3点取ってくるから」と言っていた。(途中出場でも)雰囲気に呑み込まれないで、自分のプレーを出せたと思います」と胸を張った。

エクセレントフィートは3分にも途中出場の関野碧羽(6年)が抜け出してダメ押しとなる6点目。最後まで攻撃サッカーを貫いたエクセレントフィートが4種リーグ戦初タイトルを飾った。

昨年は全日本U-12予選でクラブとして初の県タイトルを飾り、今年は同大会で初の連覇も達成した。1期生で昨年度からコーチを務め、今年度から監督に就任した白根監督は「僕らもクラブとしてもいろいろな歴史を考えたときに、タイトルを取ると初絡みが多かったので、そこは彼らには「その権利があるよ」「じゃあ、それをものにしようね」っていう話はしました」と話す。

今大会はけが人やコンディション不良もあり、先の全日本U-12予選からはメンバーが数名入れ替わる形となったが、その中でも強さを見せた。白根監督は「全日が終わって1ヶ月くらいでコンディションが良い選手を起用したっていうところで、スタートは1年間固定せずにその日その日で良い選手を使うっていうのは子供たちに伝えているんですけど、それがうまく結果として出たのかなっていうふうに思います」。特にユーティリティの島口は当初中盤起用される予定だったという中でFWで出場し2ゴール1アシスト。「試合前から決めたいなと思っていて、良いチャンスがあって、そこで決められて本当に良かったと思います」とアピールに成功した。

26日からは2度目の全国が開幕する。指揮官は「いろいろな選手が競争だったり、結果を出してくれて、じゃあ誰が鹿児島の全国大会の舞台でピッチに立って結果を出してくれるかっていうところは楽しみ。良い準備をして、また気を引き締めて、全員で頑張りたいと思います」と今大会を経て成長した選手たちの活躍に期待する。昨年は怪我で全国のピッチに立てなかった長井は「去年、自分でも、チームでも悔しい想いをしたので、まずは一個一個集中して試合に臨みたい。ベンチに入れないメンバーもいるので、そのメンバーのためにも頑張って行きたいです」と意気込み。昨年は初出場でベスト8。まずは予選リーグ突破を目指しながら、昨年越えを狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

エクセレントフィートFC 6-3 大宮アルディージャU12
2(前半)1
1(後半)2
1(延前)0
2(延後)0