[選手権]西武台、埼玉平成に3発完勝で4強入り!「一体感」を大事に3大会ぶりV狙う
第103回全国高校サッカー選手権大会埼玉県大会の準々決勝が3日に行われ、西武台が3-0で埼玉平成を下し、ベスト4進出を果たした。西武台は10日の準決勝で浦和学院と激突する。
プリンス関東2部所属の西武台が貫禄を見せた。開始から対角へのロングボールとサイド攻撃で優位に立つと前半6分、MF広瀬陸(2年)の右CKが相手GKのファンブルを誘い先制した。
その後も西武台はFW竹内奏海(3年)、FW緑川梗雅(3年)が前線から制限をかけながら、中盤では「カウンターの一個前で潰すっていうところを意識してやっていました」というMF宇野大稀(3年)が回収し相手の前進を許さず。多くの時間を敵陣に押し込んでゲームを展開する。
埼玉平成はアンカーの伊勢亀譲(2年)を起点に、10番の個で打開していくことができるエースFW佐藤快琉(3年)やFW伊藤岳(3年)、FW中里栞斗(3年)に3トップへの配球からカウンターを狙っていきたいところだったが、前半はなかなかそういった場面を出せなかった。
23分には西武台が再びセットプレーから得点。広瀬の左CKから混戦をFW鈴木洸晴(3年)が迷わずに右足を振り抜いてネットに突き刺し追加点を奪うと、40分には「自分の持ち味はスピードとヘディング。竹内くんからのクロスは練習で毎日やっていて合わせるだけでした」と話すFW藤木浩人(3年)が竹内の左クロスを大外でヘディングで叩き込んで試合を折り返した。
前半はシュート0本に終わった埼玉平成は、後半開始からFW新田礼人(2年)、FW柳田翔(1年)とフレッシュな選手を投入。西武台は広瀬に代わり、MF石井汰一(3年)がピッチに入る。
後半も立ち上がりから西武台がゴールに迫り、6分に相手の組み立てをカットした竹内が決定機。埼玉平成も10分、右CKから柳田のこの日チームのファーストシュートとなるヘディングが惜しくも逸れた。西武台は16分、鈴木が左サイドを抉り、藤木、緑川と連続して狙っていく。
3点差ということもあり、後半はややスローダウンした感もあったが、西武台は相手の突破に対し、U-17日本高校選抜CB谷口輝(3年)主将が身体をグッと入れて取り切るさすがのディフェンス。来季の主将候補DF高倉大翔(2年)もその横で安定したパフォーマンスを見せた。終盤の相手のセットプレーもしっかりと抑えきった西武台が3戦連続の零封で4強に進出した。
この日は後半37分から今季セカンドチームでS2リーグ優勝の立役者となったMF増田京耶やMF高橋宥輝(ともに3年)がピッチへ。守屋保監督は「戦術的というより、3点取ってくれたおかげで、一生懸命頑張っている3年生をこの舞台に立たせてあげられたことが大きい」と話す。
大事にしているのは「一体感」だ。「もう一度みんなでやるぞっていう雰囲気の方が大事。だんだん気持ち的にも強くなりはじめて、よく頑張ってくれている。いまが一番練習量が多いかもしれない。ひとりひとりが強くなろうというので、自分たちで励まし合いながらやれてきている」。
谷口主将は応援の声を送り続ける仲間にも感謝。「自分はキャプテンとして感謝の気持ちを持って戦おうと常に声をかけていて。やっぱり応援してくれる人がいての自分たちだと思うので、しっかり全員に感謝の気持ちを持ちながら、自分のためっていうよりかは「みんなのために戦おう!」と常に声をかけているので、そこに関しては自分も本当に感謝していますし、チーム一丸となって戦えているのかなと思います」とスタンドの仲間たちの想いも背負ってプレーする。
指揮官もチームを牽引する気持ちが強いという3年生を中心に「全員で取りに行くぞという雰囲気が出ていた」という第100回大会世代のようにチーム一丸、あの時以来のタイトルを狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
埼玉平成 0-3 西武台
0(前半)3
0(後半)0