[選手権]4年で3度目の初戦対決 因縁カードは聖望学園がMF小山の2点などで3発完勝

第103回全国高校サッカー選手権大会埼玉県大会が13日に開幕。1回戦屈指のカードとなった聖望学園と国際学院の一戦は聖望学園がMF小山晃也(3年)の2得点など3-0で勝利した。

両雄は過去3年で2度、選手権の1回戦で激突。2021年は国際学院が3点差を跳ね返して4-3で逆転勝ち、昨年は逆に追いついた聖望学園が1-1からのPK戦の末に勝利を収めていた。

初戦ということもあり、立ち上がりは固さもあった聖望学園だが、しっかりと前からかけながらチャレンジ。前線では185cmの長身FW太仲貴哉(3年)がポイントを作りながら、両ウイングや右SBのペイトン有玖主(3年)がサイドを深く抉ってクロスなどからゴールに迫った。

先制点は23分で、聖望学園は右WGの野元里晟(3年)のカットインからのスルーパスを太仲が的確にポスト。これに攻撃の起点となったMF小山晃也(3年)が抜け出す。「(今年は)守備だけじゃなくて、自分が得点に絡んでチームに貢献したい想いがある」(小山)。今季はリーグ戦でも12得点と攻撃力を発揮する攻撃的ボランチがエリア内でボールを受け、左足で流し込んだ。

勢いに乗る聖望学園はその1分後にも波状攻撃から迫り、25分には10番MF田中翼(2年)がペナルティキックを獲得したが、小山のキックは国際学院GK齋藤晄大(2年)に防がれるなど、チャンスもあった中で前半は勝負を大きく手繰り寄せる2点目を奪うことができなかった。

後半は1点を追う国際学院が攻勢に出る場面も。それでも聖望学園は「競り合いは絶対に負けない自信がありますし、1対1も絶対に勝てるのでそこは自信を持ってやっていました」と話すCB菅野陸斗(3年)主将を中心に相手の縦に速い攻撃やセットプレーをことごとく跳ね返す。

守備でリズムを作ると23分、野元のフリーキックからこぼれ球を「ボレーは得意なので。練習からああいうところは意識して決めてきた」というMF遠藤浬(3年)が浮かないようにうまく被せながら利き足とは逆足の左足ボレーで打ち抜き、欲しかった追加点をチームにもたらした。

国際学院は後半、攻撃的な特徴を持つ左SBの坂輪世成(3年)が前線へ。36分には途中出場のFW松本力斗(2年)が抜け出しを図るが、ここは菅野が身体を当てて侵入を許さなかった。

聖望学園は40分、MF沖田拓(2年)がエリア内で倒されてペナルティキックを獲得。これを今度は小山がキーパーの逆を突いて、しっかりとゴール右隅に流し込んでこの日2点目とした。守っても相手のシュートを0本に抑えた聖望学園が因縁の対決を制し、2回戦進出を果たした。

石黒登(取材・文)

試合結果

聖望学園 3-0 国際学院
1(前半)0
2(後半)0