越谷東が創部初だった昨年に続き決勝Tへ 前年の主力多く残す有力代が県での1勝を目指す

第103回全国高校サッカー選手権大会・埼玉県一次予選会の代表決定戦が8月31日に県内各地で行われ、越谷東と豊岡が激突。越谷東が1-0で勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。

「まずヘディングで裏を超させないっていうところはミーティングでずっと言ってやってきたので、そこでセカンドボールを拾えたことでチャンスに繋がったのかなと思います」(金子主将)。

豊岡は左利きの10番・右MF吉田旭慶(2年)のカットインやセットプレー、また3人目の動きで揺さぶりをかけてきた中で越谷東はMF吉成勝俐(3年)やMF長徳温生(3年)が中盤で競り合い、セカンドボールを回収。そこから10番のMF根本大輝(3年)が攻撃的に迫った。

試合が動いたのは後半15分だ。越谷東は「私としてはFWでも行けるし、中盤でも正直行ける。もう1枚欲しいです」と柴弘樹監督も話すキーマンのCB金子京平(3年)主将がこのシーンで前へ。左SBの永濱惺那斗(1年)からボールを受けエリア左に切り込むと、「あそこに蹴れば入ってきてくれると思った。パスというよりも『誰か入ってこい』って」と鋭いクロスを送る。

クロスは決して簡単なボールではなかったが、「金子が上がってきた時はゴールの確立が上がるので。ボールが来たらもうなにがなんでも触ろうと思っていました」と話すFW山﨑樹(3年)がゴール前に走り込んで詰めてゲット。これが決勝点となり、越谷東が県大会出場を決めた。

越谷東は昨年、1次を突破して創部史上初の2次トーナメント進出。昨年は3年生が3人だったこともあり、今年はその時の主力が多数残る期待の代だ。柴監督は「前任の岸(健太郎)先生から越谷東を引き継いで、岸先生が育て上げた3年生たちがすごい能力があるので、この代は上を狙えるチームだっていうことで引き継いだので。この子たちの良さを消さないように、弱点もなんとか消しながら、勝てるチームにっていうことでずっとやってきたんですけど、勝たなきゃいけないっていうプレッシャーもあった中ですごくいまは安心しています」と胸をなで下ろした。

総体予選は支部2回戦で敗退。個々の能力がありながらもなかなかそれをチームとして生かすことができなかったが、「そこからこの選手権に向けてみんなで変えていこうと。その中でみんなの意識が変わって、みんなの共通認識っていう感じでできた」(金子)ことが結果に繋がった。

「去年悔しい想いをしたので。今年の目標が県大会で1勝することを目標にやってきたので、インターハイは出られなかったですし、全員で楽しく笑顔で、コシトンらしくやっていきたいです」と主将の金子。自信を持って「歴代最強です」という有力代が再び越谷東の歴史を塗り替える。

石黒登(取材・文)

試合結果

豊岡 0-1 越谷東
0(前半)0
0(後半)1