令和６年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会は11日、埼玉スタジアム第３Gで準決勝が行われた。第２試合は新人戦覇者の昌平が３－０で南稜を下し、２年連続となる決勝進出を決めた。

昌平は今年、新人大会で他を圧倒して初タイトル。当然総体予選でも優勝候補の筆頭と見られていたが、準々決勝で南稜に０－２と敗れ、涙を呑んだ。攻撃の中軸であるMF金澤道（３年）は「本当に人生で一番くらい悔しい想いをして、絶対にリベンジしようと思っていたので、そこで３－０で勝ったのはすごい大きいし、気持ちいいなって思います！」とリベンジ達成を喜んだ。

この日も昌平は引いて守ってくる相手に対し、多くの時間でボールを握りながらアタック。FW松井美優（３年）が準決勝も最前線で起点となりつつ、10番のMF佐藤李那（３年）が左右中央さまざまなところに顔を出してチャンスメイクする。14分にはCB津久井小夏（３年）主将のロングパスを松井が的確に収め、前を向いて右足で狙ったシュートは惜しくも左に逸れた。

一方、南稜はCB會田果乃子（３年）主将を中心にまずはしっかりとした守備。回収後も大きく蹴り出さず、後ろでひとつ繋ぎながら好機を待つ。10分にはスローインからの展開でDF名川朱鞠（１年）の左クロスからこぼれ球を10番MF高橋咲来夢（２年）が右足で狙ったシュートがクロスバーに。また前半中盤から前線に上がったMF榎本莉里（３年）が抜け出しを狙った。

昌平は34分、MF鈴木志真子（２年）のミドルシュートが惜しくも枠外。40分には佐藤が仕掛けからミドルシュートで狙ったが、ここは南稜GK薮田紗良（３年）の好セーブに防がれた。

それでもここで獲得した右CKからのこぼれ球に金澤のもとへ。「前半ちょっと自分的にあまり良いプレーができていなくて、そんな中でコーナーキックのチャンスが来て、ボールが来たときはもうフリーだったので『ヨッシャ！』と思いながら思い切りぶち抜いてやろうと思いました」。冷静に一度トラップすると右足を強振。鋭いシュートがしっかりと枠を捉え、昌平が先制した。

42分にも昌平は佐藤のシュートがポストを強襲。後半も前線でセカンドボールを回収しながら押し込み、佐藤が再三ゴールに迫るシーンを作ったが、南稜も粘り強い守備で対抗する。ゲームは１－０のままアディショナルタイムに突入。その中で昌平は45分、金澤が左サイドから切り込みシュート。こぼれ球を松井が詰めて加点すると、その１分後に右サイドからカットインした佐藤が左足でネットに突き刺した。終盤に２得点を加えた昌平が３－０で南稜にリベンジした。

埼玉２冠、初の全国大会出場へあと１勝。津久井主将は「ここまで来たからには勝って全国に行きたい。いろいろな想いも背負っているので、その想いも含めて、もう絶対に全国に出るっていう気持ちで戦いたいです」とし、佐藤は「絶対に今年は全国で良いところまで行けると思うので、しっかり埼玉を勝ち抜きたい。全国の前にあと１勝、しっかりそこもチャレンジャー精神を持って受け身にならずに戦いたい」と意気込み。決勝はこの夏、インターハイで初の日本一に輝いた男子サッカー部も応援に来る予定。最強の応援団の声援を受けて、初の全国大会出場を掴み取る。

石黒登（取材・文）

試合結果

昌平　３－０　南稜
１（前半）０
２（後半）０