[高校女子]川口市立、苦しみながらも本庄第一を下しベスト4進出 “白岡コンビ”で決勝弾!

令和6年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会は8日に川口市立高Gで準々決勝が行われ、川口市立と本庄第一が激突。川口市立がDF小磯遥香(3年)主将の決勝弾で1-0と競り勝った。

総体予選覇者は苦しみながらも準決勝進出――。立ち上がりは本庄第一の圧力に押されることが多かった中で川口市立はファーストを競った後のセカンドボールや攻撃面では左SHの原葵子(2年)らサイドがキーになって攻撃。そこでコーナーキックを獲得しながらゴールに迫った。

徐々にリズムを掴みつつ、19分には10番のMF田中南帆(3年)のシュートが枠を捉える。前半終了間際にも連続して決定機を作り、43分には途中出場のFW村上海来(2年)のポストプレーから原がシュート。45分には村上が中盤でボールを回収しドリブルから狙ったが、本庄第一CB反町望愛(2年)のシュートブロックに遭うなど、前半は決めきることができなかった。

後半は「中途半端なプレーは絶対になしにしろと言われて。相手の流れが来ても、それでもそれを耐えれば自分たちにもチャンスが回ってくるから、それを耐えて少ないチャンスをものにしろと言われていました」(小磯)。すると川口市立は頼れる主将が攻守でビッグプレーを見せる。

本庄第一は3分、自陣でボールを回収すると、MF和智幸来(2年)が10番FW玉置夢華(2年)とのワンツーから抜け出しを狙う。通れば決定的かと思われたが、川口市立はキャプテンの小磯がスライディングで決死のクリア。このピンチを凌ぐと8分、田中の左CKから小磯が気迫のこもったダイビングヘッド。これがゴールネットに吸い込まれ、ついに試合の均衡が破れた。

「思うような得点っていうか、自分でも本当に泥臭いなと思ったんですけど、それでも決め切れて良かったと思うし、やっぱり南帆のボールを決められたっていうのが嬉しかった」(小磯)。小磯と田中は旧知の間柄。小学時代は同地区のライバル的なチームでプレーしつつ、トレセンなどでは共闘。中学時代は白岡SCレディース(現INAC白岡SCレディース)でともにプレーした。

高校も、ともに川口市立へ。「多分お互いに本当のことを話すのが苦手なタイプ」。1年次はうまくチームに馴染めず悔しい想いをした時もあったが、手紙などでやりとりをしながら苦しい時期を励まし合った盟友だ。「南帆がいなかったら乗り越えられてなかったなって。3年の最後の大会で南帆のボールを決められて、それが決勝点になって上に繋がったっていうのは、本当にいつもより、ほかの得点とかよりも、めちゃくちゃ嬉しかったです」(小磯)「中学校から一緒だから、やっぱりほかの人よりはお互いのことをわかっている。そこで私のアシストで遥香が決められたのは良かったなと思います」(田中)。ゴール後は互いに駆け寄って行き、喜びを分かち合った。

1点を追う本庄第一は39分、エースMF小池樹里(3年)主将がエリア前でボールをキープし、玉置と繋いで、左サイドを走り上がったMF三根知里(1年)が狙ったが、惜しくも枠を捉えきることができず。“白岡コンビ”の活躍もあった川口市立が接戦を制し、ベスト4進出を決めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 1-0 本庄第一
0(前半)0
1(後半)0