【関東】西武台新座中が初の全国切符を掴む! 地区敗退からスタートの1年も「チーム一丸」となって歴史を動かす

西武台新座中が初の全国へ! 今年は埼玉県が舞台の「第55回関東中学校サッカー大会」2回戦が8日に県内4会場で行われ、県第1代表の西武台新座中は藤沢鵠沼中(神奈川①)と激突。10番MF林良樹、FW野村知広(ともに3年)の2試合連続ゴールで2-1と振り切り、19日から石川県を舞台に開催される「第55回全国中学校サッカー大会」への出場権を獲得した。

創部6年目、強化3年目での初の全国。山﨑健吾監督がまず話したのがOBたちへの感謝だ。

「彼らがここに来るまでの子たちがいろいろなところで頑張って、ちょっとずつ結果を出して、いまがある。3期生の子たちが結果を出してくれたことは嬉しいですけど、それ以前の子たちにも感謝したいし、それが少しでも伝わればいいかなと。『誇りに思えるチームになったよ』っていうのを伝えられれば」。西武台新座中として積み上げた伝統、歴史が全国への扉を動かした。

1回戦は身体も重く、「いままでで一番ひどい試合をした」。さらにこの日は右SB水谷貴一(3年)が不在。その中で「今日は自分たちのやりたいことじゃなくて、苦しくてもそれを耐えるとか、苦しいことをしっかりと一生懸命やるっていうのをテーマにした」。いつもの攻撃的なスタイルではなく、プレスバックやスライドを徹底。相手の快速選手に対してはDF遠藤蓮、DF齋藤勢那(ともに3年)の両サイドバックが裏をしっかりと警戒し、効果的な攻撃をさせなかった。

その上で後半は、県予選でも途中出場から流れを変えることが多かったMF川幡佑斗(3年)を右サイドに投入して攻撃にスイッチ。少しずつゴールに迫る形を増やしていくと、17分だ。

前半からアップダウンを繰り返していた齋藤が左サイドを持ち出すと「ここで行くしかない」とさらに深くまでドリブルで抉り、マイナスのクロス。これに「大前提としてチームで勝つっていうのはあるんですけど、自分が決めて勝ちたいっていう気持ちはあったので、チャンスがあったら打ってやろうと思っていた」と話す10番FW林良樹(3年)が右足を振り抜いて突き刺した。

さらに「やっぱりもう1点っていうのが大事で、20分くらいアディショナルタイムを足したらあったと思うので、1点取ったから気を抜いていいわけじゃなくて、もう1点狙おうっていう気持ちで僕はやっていました」と語るFW野村知広(3年)が貴重な追加点を奪う。31分、MF吉田琉星(3年)のパスに抜け出した川幡がシュート。こぼれ球を野村が詰めて2点目とした。

33分には「中2として出させてもらう中で、自覚と覚悟はあった」と話す、登録メンバー唯一の下級生、GK岡田悠汰が相手選手との1対1を阻止。35分にペナルティキックから1点を許したが、2-1で逃げ切った西武台新座中が2度目の関東挑戦で初の全国切符を掴み取った。

新人戦は地区敗退となった中で掴み取った初の全国切符。山﨑監督は「クーリングの最後の10分のところも言いましたけど、本当にチームのまとまりとか人と人を繋ぐ絆の部分がすごく深く、深くなった。今日もしっかりと仲間を信じてプレーできていたし、チームが本当によくまとまっているなと。そこがやっぱりこういう結果に繋がったかなと思います」と語り、主将の林は「新人戦で負けた時は自信があった分、落ち込んだんですけど、逆にやる気が出てきたというか、チームがひとつにまとまって、チーム一丸となれて、信じてできたからだと思います」と話す。チームとしてひとつになれたことが地区敗退から全国大会という大きな成長曲線を生み出した。

石黒登(取材・文)

試合結果

藤沢鵠沼中 1-2 西武台新座中
0(前半)0
1(後半)2