昌平は福大若葉の堅守に苦しむも、三浦&本田の今大会初ゴールで8強入り! 2大会ぶりの準決勝進出をかけ、明日は桐光学園と対戦

令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技の3回戦が30日、Jヴィレッジで行われ、埼玉県代表の昌平は福岡大若葉(福岡)と対戦。相手の堅守に苦戦するところもあったが、2-0で勝利してベスト8進出を果たした。準々決勝では桐光学園(神奈川)と激突する。

 

初出場ながら2回戦で大津(熊本)を下した阪南大高(大阪)を下し、勝ち上がった福岡大若葉は昌平の裏に抜けるスピードを警戒し、後ろ5枚でゴール前に鍵をかけるサッカーを選択する。

その中でも昌平はFW鄭志錫(3年)が身体の強さを見せて侵入し前半9分に決定機。17分にはCB中松陽太(3年)のフリーキックから鄭がすらしたバックヘッドがわずかに右に逸れた。

立ち上がりは後ろを固め、徹底したサッカーをする相手を崩しきれないところもあったが、「相手が嫌がること」(玉田圭司監督)を意識したクーリングブレイク明けにブロックをこじあけた。

25分、「自分も前に持って行く意識は高まっていますし、結果を残したいという気持ちも持っている」と話すMF大谷湊斗(3年)主将が中盤から長い距離を運び出し、ゴール前に絶妙なスルーパス。これにMF三浦悠代(3年)が抜け出す。「(県予選後の)プレミアから点がなかったので、そろそろ取りたいと思っていた」(三浦)。最後はGKとの1対1を冷静に沈めて先制した。

その後も昌平は大谷が中盤で強さとうまさを見せ、2回戦からスタメンを務めるMF鈴木宏幸(3年)が中盤でボールを奪いきる力を発揮。36分には右SB安藤愛斗(2年)の好フィードから前日U-17日本代表選出が発表された10番MF山口豪太(3年)が抜け出してシュート。38分には鄭が左サイドで切り返し、狙ったシュートが相手DFに当たってわずかに枠を外れた。

後半も県決勝の怪我も癒えたMF長璃喜(2年)が好守備から長い距離を仕掛けるなど果敢にプレー。15分には鄭、長が連続して決定機を作るが、なかなか追加点を決めることができない。

それでも昌平は28分、その4分前に投入されたばかりのMF本田健晋(3年)が中盤から運び出し、一度三浦につけて自らは前へ。ドリブルで中央を仕掛けた三浦のスルーパスを裏のスペースで再び呼び込むと、右足を振り抜いてゴールネットに流し込んで2点目とし、勝負を決めた。

玉田監督は「スタメン、サブと僕は別にわりきっているわけではなくて、それは選手にも伝えさせてもらっている。そういう中で途中から出た選手が決めるっていうことはチームとしてもいいことだし、健晋にとってもすごく良いゴールだったと思います」と讃えた。スタメン、サブも含め、登録全員が良い意味で緊張感を持って臨む昌平が2大会ぶりのベスト8進出を決めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 2-0 福岡大若葉
1(前半)0
1(後半)0