エースFW鄭志錫が2ゴール、昌平が後半に圧倒し4発快勝で16強! 玉田圭司監督が感じた『やり続けること』の大事さ

令和6年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技の2回戦が28日、Jヴィレッジスタジアムなどで行われ、埼玉県代表の昌平は地元・福島の帝京安積と対戦。後半に3ゴールを奪うなど4-1で勝利しベスト16進出を果たした。3回戦では福岡大若葉(福岡)と激突する。

昌平はボールを保持して進めると前半6分、CB中松陽太(3年)の縦パスを起点とした攻撃でMF山口豪太(2年)がクロス。これをFW鄭志錫(3年)がヘディングで突き刺し先制した。

昌平はスタメン復帰したMF長璃喜(2年)が推進力のあるドリブルを見せ、MF三浦悠代(3年)が果敢にシュート。また、MF大谷湊斗(3年)主将が運び出しながらゴールを狙っていく。

しかし、中盤以降は昌平にとって難しい時間が続いていく。帝京安積は1FC川越水上公園出身のFW白坂晴人(3年)が存在感。14分の決定機はCB坂本航大(3年)がスライディングで弾いて難を逃れたが、33分には白坂が抜け出し、左足で放ったシュートがニアポストを叩いた。

39分には帝京安積のロングシュートが枠を捉えたが、「ロングシュートには自信を持っている。練習同様に良いセーブができたかなと思う」と話すGK佐々木智太郎(3年)が防いでみせた。

「良い時間帯で点を取れたんですけど、その後の時間帯なんかは少し苦労はしました」と玉田圭司監督は前半の戦いを振り返る。先制後は前掛かりになり、点を取る意識を強めてきた相手に対し、昌平は少し受け身になってしまう部分も。それでも「やり続けることで、それが後半に向けてのジャブになったのかなと思ったので、本当に『やり続けること』っていうのはすごく大事なんだなっていうのは、今日に関しては学びました」。後半は昌平が勢いを持って相手を呑み込む。

追加点は再開2分、山口と繋ぎ、大谷の間隙を通す正確無比なスルーパスに抜け出した鄭がこの日2点目。5分には三浦のシュートがキーパーを強襲する。12分には坂本のロングフィードから山口のクロスに走り込んだ大谷が夏冬含めて“全国初弾”となるゴールを頭で決めて加点した。

16分には鄭、17分には右SB安藤愛斗(3年)がボレーで決定機。初戦は接戦だったこともあり、なかなか選手交代も行えなかったが、大量リードを奪ったこの日は連戦を見据えて思い切ってターンオーバーも実施。その中で37分には玉田監督も「ほかの選手にはないものを持っている。独特なドリブルだったり、その後のフィニッシュワークなんかも長けている選手」と話す、ルーキーのMF根津優羽がエリア内で個で相手を剥がし、チーム4点目を決めて勝負を締めた。

前日は1点を争う展開となった中で大谷主将は「(1回戦で)難しい試合をものにしたっていうのがこの試合展開に繋がっているのかなと思う。緊張もあった中で、みんなもう緊張もなくなってきて楽しそうにサッカーをしているので、“昌平らしさ”が出た試合かなと思います」と話した。

石黒登(取材・文)

試合結果

帝京安積 0-4 昌平
0(前半)1
0(後半)3