[学総]西武台新座中が2度目の関東に王手!開始早々に退場者もピッチ内で判断し難局を制す

令和6年度学校総合体育大会中学校サッカーの部は26日に準々決勝を行い、初優勝を狙う西武台新座中は早々に退場者を出しながらも3-1でさいたま木崎中を下し、ベスト4に進出した。

西武台新座中は前半4分、CB高野惺太(3年)が一発レッドで退場。多くの時間を10人で戦うこととなったが、選手の判断や1人が1.5人分動くことで、このピンチを乗り越えて見せた。

「ちょっと一番欠けてほしくないところが欠けちゃったので、そのセンターバックの退場しちゃった子よりかは(CBとしての)実力は劣るんですけど、自分で頭を使いながらやっていこうと思いました」。ボランチの高田尚旺(3年)がピッチ内の判断で1列後ろに下がり、3-3-3のような形に。両ウイングバックが高い位置を取って攻撃できたことが先制点に繋がった。

20分、左WB齋藤勢那(3年)が前線でボールを奪い返すと、「試合前に対角を意識しろと言われていた」というMF澁谷春眞(3年)が対角に突き刺すパス。このボールに抜け出した右WBの水谷貴一(3年)が右足でしっかりと決めきってひとり少ない中でも先にスコアを動かした。

さらに27分には澁谷の縦パスにFW野村知広(3年)が抜け出すと、エリア内でディフェンスに倒されペナルティキックに。これを10番MF林良樹(3年)が「次の1点が大事だと思ったので、絶対に決めてやろうっていう気持ちで蹴りました」と蹴り込んでリードを2点と広げた。

一方、さいたま木崎中も3回戦で新人大会覇者の聖望学園中を倒し、勝ち上がったチーム。このままでは終わらない。後半は気持ちを立て直すと2分、2分、MF渡辺椋大(3年)の右アーリークロスにファーサイドに走り込んだMF土居慎弥(3年)がヘディングで決めて1点を返す。

西武台新座中は後半、ひとり少ない中で体力的な部分で難しいところもあり、なかなか前に出られない時間も。クーリングブレイクのところで選手たちはブロックを敷いて守りにいくことを選択する。チームとしてしっかりと守りつつ、牙を研いでいたのはMF吉田琉星(3年)だ。

「相手が全体的に前に出ていて、サイドバックも上がっていて、センターバック2枚とキーパーの3枚で前進していく感じだったので、ボールが取れれば決定機になるなと思っていた。10人なので、やっぱり前に出るリスクもあったんですけど、良いところで隙を狙って前に出られた」。26分、相手ビルドアップをカットすると、ドリブルで持ち上がり勝負を決める3点目を奪った。

守備では山﨑健吾監督も「頑張ってくれた」と讃えた髙田が獅子奮迅のプレー。また、高田が下がったことで中盤の広大なスペースをひとりでカバーすることになった澁谷は「バックに行かないようにスライドとかをいっぱいして、ボールを取って、簡単に繋げられるようにしました」とスライドに加え、切り替えの速さも意識してゲームメイク。その中で前半の2得点に絡んだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武台新座中 3-1 さいたま木崎中
2(前半)0
1(後半)1