[学総]苦しみながらも成長した1年 前年王者・新座第二中は「目の前の一戦一戦を超えて」再びあの景色を目指す

令和6年度学校総合体育大会朝霞地区予選・準決勝が6月26日に朝霞中央公園陸上競技場で行われ、昨年の県覇者・新座第二中は5-0で朝霞第一中を撃破し、まずは県大会出場を決めた。

先制点はわずか3分で、新座第二中は今年のチームの絶対的エースFW丸田陽斗(3年)が鋭いドリブルで右サイドを抉り、クロスにFW川島充貴(2年)がファーで詰めて均衡を破った。

これで勢いに乗ると、11分には連続してコーナーキックを迎え、FW武本祥太郎(3年)の左CKからDF八田啓(3年)がヘディングで合わせ追加点。32分にはエリア前でボールを収めた丸田陽がディフェンスに囲まれながらもドリブルで剥がし、左足を振り抜いて3点目とした。

まずは1点を返したい朝霞第一中も前半34分、10番MF横田陽親(3年)がドリブルで持ち出し、右足で惜しいシュート。後半開始直後にも横田のチャンスメイクからFW齋藤聖仁(3年)が決定機を迎えたが、新座第二中GK深江奏良(3年)が好反応を見せてゴールを死守した。

前半最後と後半頭に決定機を許した新座第二中だが、その後も相手コートでプレー。20分には丸田陽のフリーキックから八田がこの日2点目。終盤は連戦を見据えメンバーを入れ替えながらも、26分にはFW髙橋南都(3年)がダメ押しとなる5点目を決めてゴールショーを締めた。

新座第二中は昨年の県総体で優勝。しかし、新チーム最初のトーナメントとなった新人大会では朝霞第一中に苦杯を喫し、県大会出場を逃すなど、その道のりは決して平坦ではなかったという。

「やっぱり上の代が良かった分、自分たちもやりたいという想いはあったんですが、そこに続く技術であったり、そういったところはまだまだ足りていないところが多かったので、本当に上の代が見せてくれたものをただ辿るといってもそれは簡単なことじゃなかった。苦しい中でも頑張ってきて、積み重ねたものがようやく学総で花開いてきたのかなと思います」(阿部悠希監督)

ひとつ上の代からレギュラーとして出場する丸田陽と八田は攻守の要。特に「勝負所で、しっかり取るべきところで取ってくれる」と指揮官も期待する丸田陽は県大会でも注目のタレントだ。

一方で「あの子がどれだけやれるかっていうのはチームの結果にも直結する部分はあるんですけど、でも同時にあの子だけが目立っている試合っていうのは勝ちきれないことの方が多かったり、そこに周りが絡んで、陽斗以外も得点に絡んだり、そういうふうになるっていうのがやっぱり大事なのかなと思う」と、丸田陽ひとりに頼らないチーム作りを進めてきた中で準決勝では「狙い通り」と話す両ウイングが絡んでの攻撃や多くの選手に得点が生まれたことは好材料だ。

丸田陽の双子の兄で、10番の左SB丸田大翔(3年)も新チームで台頭した選手。今年はキャプテンも務める。決勝の西武台新座中戦では先制ゴールをマークしたほか、攻守に献身的に走り印象的なプレーを見せた。八田と相方を組むDF岩切悠悟(3年)も今年に入り守備力も向上中。中盤では2年生ボランチの佐々木琥太郎は相手の攻撃の芽を摘み取る守備力に長けた選手だ。

「新人戦やプレ学総でもなかなか上を目指せなかった部分があったので、目の前の一戦一戦を超えていくことで、最終的に先輩たちに追いつく、2連覇っていう結果が得られれば。まずはひとつひとつ勝っていくことで、改めて上を目指せるようにやらせていきたい」。今年は県リーグを戦う中でチーム力を上げる前年王者が一段ずつ階段を上りながら再び頂点にチャレンジする。

石黒登(取材・文)

試合結果

新座第二中 5-0 朝霞第一中
3(前半)0
2(後半)0