[関東U-12大会]フットサル出身の選手たちがサッカーの舞台でも連動し躍動 戸塚FCジュニアがバーモント杯に続き埼玉2冠目!

フットサル出身の選手たちがサッカーの舞台でも躍動。第48回関東U-12サッカー大会埼玉県大会の決勝が23日に埼玉スタジアム第3グラウンドで行われ、戸塚フットボールクラブジュニアとプレジールスポーツクラブジュニアが対戦。戸塚FCが5-1で勝利し、初優勝を飾った。

「基本的には自分たちが主導権を握ってゲームをコントロールする。ただ、その中でもしっかり相手のラインだったり出方を見ながら、長いパスも入れながら、相手を動かしながらっていうのは日頃から意識させています」と鈴木基悦監督。決勝の舞台でもボールを保持しながら圧倒した。

戸塚FCは1分、CBの縦パスを起点に前線が連動。高崎翔生(6年)のラストパスからディフェンスがつききれなくなったところを10番の鈴木優剛(6年)が左足で決めて試合を動かした。

さらに14分、左サイドで浅井陽向(6年)と鈴木が連携しチャンスを作ると、鈴木とともに今季のダブルエースを務める高崎がディフェンスの間を割っていくドリブルで侵入し、仕留めた。

16分には攻守の要を務める松岡朔太郎(6年)の浮きパスから鈴木が頭でゲット(記録上はオウンゴール)。20分には「最近の目標として、自分でゴールを決めて勝たせるっていうの目標なので、自分でゴールを決めて勝たせるっていうことを意識していました」と話す松岡が高崎のパスを受けるとドリブルで前進し、右足でニアに強いシュートを打ち込んでリードを4点とした。

準決勝で優勝候補の一角・江南南サッカー少年団とのスコアレスからのPK戦を制し、初の決勝進出を果たしたプレジールは前半終了間際の21分、途中出場の樋口颯仁(6年)が1点を返す。

しかし、後半も戸塚FCの優位は揺るがず。9分には松岡が抜け出し決定機を作った。また、積極的にメンバーチェンジ。「もうちょっと取れるところはあったと思うんですけど、できる限り多くの選手を使いながら臨めたらという中でベンチに入った全員が出られたことは今後に繋がるのかなと思います」(監督)。14分には五十嵐俊輝(6年)の左コーナーキックに長身の小島維地太(6年)と川村武蔵(6年)の2人がゴール前に入り、小島がヘディングでゲット。デザインされたセットプレーから追加点を奪った戸塚FCが5-1で勝利し、初タイトルを飾った。

「この子たちはフットサルから入っている選手が多くて。いまそのフットサルのチームと連動して、連携を取りながら取り組めているので、フットサルの良い部分と、サッカーの良い部分っていうものをお互いに理解し合いながら、積み重ねられているのかなと思います」(鈴木監督)

チームの中核を務めるのは2020年に立ち上がったフットサルチーム「RAD FC」出身の選手たちだ。21年からはRAD FC監督でフウガドールすみだコーチも務める鳥丸太作氏がアドバイザーとなり連携を強化。1期生が最高学年を迎えた今年は新人戦は4強で敗れたが、フットサルのバーモントカップ予選ではS1所属のアビリスタ、全国優勝経験のある江南南、そして決勝では昨年日本一を掴んだヴィオレータを下しV。関東U-12大会予選も含め、今季2冠目となった。

今大会でも高いスキルに裏打ちされたポゼッションに加え、「判断」の部分も発揮。「相手の立ち位置だったり、スペースをしっかりと認知させながら幅を使ったり、外に食いついたら中を使ったりというふうにどんどん相手を走らせて動かす。その中で相手ディフェンスのエラーを起こした中でゴールに向かうっていうのは練習からやっていること。今日は2試合とも出たかなと思います」(監督)。相手ディフェンスにしてみれば中、外と連続して振られ続けるのだからたまらない。高橋慶人(6年)主将も「ポゼッションして繋いだりすることもできるし、前に入れてシンプルな攻撃もできる。その両方ができるっていうことは強みだと思います」と自信を見せた。

8月のバーモントカップ本大会、今大会で出場権を獲得した9月の「フジパンCUP第48回関東U-12サッカー大会」はもちろん、2016年以来8年ぶりの全国を目指す「全日本少年サッカー大会」での活躍も楽しみなチーム。高橋主将は「しっかり勝ち抜いて全国大会で優勝したいですし、全日は入った時から目指していたので、準備して絶対に勝ちたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

戸塚フットボールクラブジュニア 5-1 プレジールスポーツクラブジュニア
4(前半)1
1(後半)0