平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会 南部支部予選 準決勝 南稜 vs 浦和北
平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選準決勝。浦和南高校グラウンドで行われた南稜高校と浦和北高校の一戦は、MF谷田部佑也の2ゴールを含む3得点を奪った南稜が守備でも4戦連続の0封で3ー0と勝利し、決勝進出、そして新人戦県大会出場を決めた。
試合はいきなり動いた。前半2分、南稜は右サイドのMF加賀幸汰のグラウンダーのクロスをFW樋口航大がスルーすると「いつもクロスの時に後ろにいたので、もっと前に入れと監督に言われていた」という2列目の谷田部がエリア内に抜け出し、右足で流し込んで先制した。
その後も南稜は前半だけでシュート16本と相手を圧倒。対する浦和北はなかなか前に出ることができずシュート0本に終わったが、36分にはGK青山真也が至近距離のシュートをセーブするなど、後ろが粘り強く守って追加点は許さない。試合はこのまま1点差で折り返した。
次の1点が重要となる中で「相手は必ず出てくる。受けるな、引くなと。逆に前に出ろ!」(須釜久之監督)と攻めの姿勢を貫くことを再確認した南稜は、それまでの40分間同様に思い切って前に出ていくと開始2分でまたしても加賀&谷田部のコンビで追加点を奪ってみせた。
後半2分、加賀のアシストにエリア左でフリーの状態を作った谷田部が左足で逆サイドネットに突き刺して2点目。指揮官も「あれは大きかった」というゴールで相手を一気に突き放す。
以降は得点を奪いにきた浦和北に攻め込まれる時間が続いたが、「ディフェンス面としては3バックでコミュニケーションを取ってできた。裏に来る相手に対してしっかりと一発目はガツンといけて、ファーストでは勝てたのでそこはよかった」とキャプテンのDF堀内慶汰。相手のロングスローやドリブル突破にはしっかりと身体を当ててゴール前では自由にさせない。
すると南稜は後半26分、MF岡本怜央とのワンツーから樋口がキーパーと1対1に。樋口のシュートは弾かれたが、こぼれ球を「普段から詰めの意識をしている」という岡本がしっかりと詰めた。得点機はほぼ詰めの形というように、今支部予選で決めた4得点のうち3ゴールは詰めての得点。もはやひとつの得点パターンになった形に「持ち味ですね」と自信を見せた。
後半は9本のシュートを放つなど攻めた浦和北だが、最後まで南稜ディフェンスを攻略することができず。耐える展開の中でチーム全員でしっかりと守りきった南稜が3ー0でファイナルに駒を進めた。またこの結果各支部2位までに権利がある新人戦県大会出場も確定させた。
チームの根幹は「全員攻撃、全員守備」の全員サッカーだ。新チームからは本格的に3バックに挑戦中。「ファーストディフェンスの寄せの速さ」を意識してやってきた中で、今大会では「ボールを失ってからの切り替えの面でかなり早くチェイシングできて、しっかりと奪う形が出てきた。その結果が4試合連続の無失点に繋がっている」と堀内主将は手応えを口にした。
浦和北・田島邦人監督も「あのシステムにやられてしまった」と慣れない対3バックに手を焼いた前半を悔やんだ。支部予選準決勝に臨むのはこれが3度目。「1度目は市立浦和に負けて、2度目は浦和東に負けて、3度目の正直となると思ったが、やっぱり向こうの方が上手だった。まだ詰めが甘いんだなというのを感じた」と4強に終わった大会を振り返った。
石黒登(取材・文)
試合結果
南稜 3-0 浦和北
1(前半)0
2(後半)0