[学総]埼玉栄中、ライバル南浦和中を下し市大会制覇! 成長を見せた追加点、守備にも手ごたえ「勝つチームになってきた」

埼玉栄中がさいたま市覇者として県大会へ。令和6年度さいたま市学校総合体育大会の決勝が7日に浦和駒場スタジアムで行われ、埼玉栄中と南浦和中が激突。前半にFW熊谷颯真(2年)、MF宇山尊(3年)が連続して得点を挙げた埼玉栄中が2-1で勝利し、市大会制覇を果たした。

 

佐瀬裕大監督も「今年はもう全部の大会でやってますから」というように両チームは今年度、新人戦市・県大会、さいたま市冬季大会決勝で激突。1年生大会も含めると、埼玉栄中が3勝1敗と勝ち越していたが、「全部ギリギリのタフな接戦でという感じで。練習試合とかもよくやらせてもらっているので、お互いに分かりあっている」というライバルを下し、県大会に弾みをつけた。

3月の冬季大会では、埼玉栄中が開始5分に挙げたゴールが決勝点となったが、この試合でも早々に試合を動かしたのはオレンジのユニフォームだった。前半3分、右からのクロスをファーサイドでFW熊谷颯真(2年)が収め、右足を振り抜いてゴールネットに突き刺して先制した。

「先制点を取れたのが大きくて。いままでとまた違ったのが、そこから追加点を取れたっていうのが成長かなと思います」(監督)。新人戦県大会は先制したものの、その後に2点を奪われ逆転負け。冬季大会は1-0で勝利したが、勝負を大きく手繰り寄せる追加点が取れていなかった。しかし、この日は16分、DF溝口晴(3年)のフリーキックから「新人戦でこのピッチで負けたのでリベンジしたい想いがあった。どんなボールが来ても自分が決めるみたいな気持ちで臨んだ」と話す、エースMF宇山尊(3年)がバックヘッドで決めて成長を見せる2点目を奪う。

南浦和中も強烈な個を持つ10番のMF鈴木照世(3年)主将が随所で推進力のあるドリブル。27分には抜け出した鈴木がキーパーも交わし、無人のゴールに左足で蹴り込んで1点を返した。

「我々としては(2点目を取った後)ボールを握りながら3点目を取りに行きたかったんですけど、相手がかなり攻撃的に仕掛けてきて、我々の陣地で押し込まれる時間帯が長くなって、ちょっと我慢しなければいけない展開になったので、そこはまた県大会に向けて自分たちのリズムで勝っている時にペースをしっかり握りたいというのは反省点。ただそれをしっかり我慢して耐えられたというのは、いままでの冬季大会とかを含めてできるっていう自信になっていたので、失点してからも慌てずに相手の様子を見ながら自分たちのペース、リズムが出るまで我慢しようっていうので、全員が集中して、良い声をかけてというふうにできていたので、そこはだいぶ勝つチームになってきたなっていうのは、すごく手ごたえがあるかなと思います」(佐瀬監督)

「やっぱり相手の10番がキーマンで、そこで全員でどれだけ強く行けるかだった。そこはしっかりハーフタイムで話し合って、完璧に近い形でできたと思います」と話すMF池内蒼偉(3年)主将、MF竹中琉聖(3年)がパスコースを切りながら、冬季大会でも好プレーを見せていた溝口、DF田口周篤(3年)のCBコンビがしっかりと身体を当てて自由なプレーを許さず。また、最後尾ではGK稲村彪聖(3年)がクロスやハイボールに対し、絶対的な力を発揮した。

175cmの長身守護神は佐瀬監督も「身体能力も上がってきて、精神的にもすごく冷静な判断ができるようになってきて、かなり楽しみな選手のひとりになった」と話す注目株。稲村は「強みである高さとか、腕の長さを生かして、あまり練習だと出せる機会がなくて試せなかったんですけど、こういう大事な場面でやりたいことができた」と笑顔を見せた。このまま2-1で勝利した埼玉栄中が冬季大会に続き、ライバル連破でさいたま市を制し、7月の県大会に弾みをつけた。

「もう学総は勝負にこだわってやりたい。しばらく、関東、全国に出ていないので、本気で狙っていきたい」と佐瀬監督。順調に勝ち上がれば両校は関東をかけた準決勝で再び当たる可能性。好敵手との6度目の対戦を制し、平成25年度以来の関東大会、そしてその先の全国大会を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉栄中 2-1 南浦和中
2(前半)1
0(後半)0