平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会西部支部予選準々決勝 入間向陽 vs 聖望学園
平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会西部支部予選準々決勝。聖望学園下川崎グラウンドで行われた聖望学園高校と入間向陽高校の一戦は、聖望学園が1年生FW島村颯汰のハットトリックなどで4ー0と快勝し4強に進出した。聖望学園は準決勝で狭山ヶ丘高校と対戦する。
スコアが動いたのは前半15分。聖望学園はFW竹間亮太のシュートのこぼれ球を「早いうちに先制点を取ってチームを楽させようと思っていた。キーパーの位置をしっかりと見てニアが空いていたのであとは流し込むだけでした」とMF塚田悠太郎が左足で詰めて先制する。
その後も3センターに入った塚田を中心にゴール前に攻め込んでいくと前半25分に追加点。ゴール右斜め前の位置でフリーキックを獲得すると、DF上田輝のキックに対しニアに走り込んだ島村がしっかりと首を振りながらヘッドで逆サイドのネットに突き刺して2ー0とする。さらに25分には竹間が個人技から2枚、3枚と抜いて放ったシュートがゴールポストを叩いた。
一方の入間向陽も前半34分に決定機。左サイドバックの安田絢亮のクロスにMF加藤悠が合わせるとボールは枠を捉えていたが、ここは聖望学園GK中沢勇斗が弾き出して難を逃れた。
するとここを凌いだ聖望学園は前半37分にセットプレーから3点目。上田の右からのコーナーキックに対し、中央で一列に並んだ選手たちが一気にエリア内になだれ込むトリックプレーで相手のギャップを生むと、再び島村がヘディングで決めて3ー0として前半を折り返した。
後半も聖望学園ペースで試合は展開。11分には竹間のクロスを島村が頭で折り返すと、走り込んだFW森田悠仁がノントラップシュート。さらに17分にはMF小川大我のシュートをキーパーが弾いたボールに対しMF高野雅也が詰めるもボールは枠外に外れ、思わず顔を覆った。
攻めながらもなかなか追加点のこなかった聖望学園だが、後半27分に待望の4点目が決まった。上田のクロスに三度島村が頭で決めてハットトリック。終盤にかけて運動量が落ちたところはあったものの、聖望学園が4ー0で勝利して準決勝進出&関東大会予選出場を決めた。
前日は会場校ということで雪かきに追われて満足のいく調整ができなかったというが、そんな中でも安定した力を見せた。「(3回戦で入間向陽と当たった)西武文理は攻めながらも点が取れないというのがあったので、早めに点が欲しいとは思っていた。今日は比較的前半に良いリズムで点が取れたことでゲームをうまく運べたと思います」と聖望学園・山本昌輝監督。
昨年は1年次からレギュラーとして活躍してきた糟谷雄介(4月より流通経済大学に進学)の存在があった中でそこを経由しての攻撃が多かったが、糟谷が抜けた今年は「良い意味でポイントが分散しているという感じ」と指揮官。従来の攻撃的スタイルは変わらずに、新チームは「いろいろなところから攻められるようになってきたかなというのが面白み」だという。
ヒーローも日替わりだ。右ウイングとして出場しハットトリックを達成した島村は「前回の試合も何度も決定機がありながら1点だったり点数も少なかった。今日は3点取れたというのは自信になりました」。この日の得点はすべてヘディングから。サイズがあるわけではないが「タイミングは意識しています」と絶妙なタイミングとコース取りからゴールを積み重ねた。
さらに前線には今年からNo.10を背負う竹間、昨年はウイングとして選手権予選でも得点、今大会ではインサイドハーフにチャレンジしている1年生の塚田と楽しみなメンバーが揃う。
準決勝の相手は狭山ヶ丘に。県大会出場をかけての戦いに主将のDF齊藤聖は「ここで息をついたら足元をすくわれる。もう一回引き締めて次の戦いに挑みたい」。竹間は「去年や全国に行っている一昨年を越えられるように。いまは昌平が一個抜けていると思うんですけど、そこにも食らいついていけるように、明日は集中して勝ちたいと思います」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
入間向陽 0-4 聖望学園
0(前半)3
0(後半)1