初の関東リーグでも強さ見せる昌平、スフィーダに快勝で開幕2連勝!FW松井美優がハットトリック/関東U-18女子サッカーリーグ
あの日の敗戦を絶対に無駄にはしないーー。関東U-18女子サッカーリーグ2部の第2節が19日に行われ、昨年の昇格戦をものにし、今年から同リーグに挑戦している昌平はホームでスフィーダ世田谷FCユースと対戦。FW松井美優(2年)のハットトリックなどで4-1で勝利した。
「自分が背後を取ることによって、中盤の選手の足下とかも生きてくるし、やっぱり背後を引っ張らないといけない。自分の良さはスピード。そこを生かせるように背後を狙いました」(松井)
昌平は前半3分、CB小室瑠花(2年)のロングフィードにタイミング良く抜け出した2年生ストライカーの松井が力強いドリブルで持ち出して、最後は右足で流し込んで幸先良く先制した。
その後も松井の背後への動き出しやポストプレーを起点に攻撃。また、「(総体予選以降)パスとドリブルの使い分けを意識していて、自分の武器のドリブルを活かすためにパスを使ったり、人を使うっていう部分を勉強しながらやっています」という10番のMF佐藤李那(3年)が得意のドリブルだけでなく、ワンタッチでのパスや相手を引きつけてのパスなどでゲームを作る。
飲水前の18分に一瞬の隙を突かれて同点とされたが、29分に前線で相手のボールを引っかけた松井が個の力を見せて左足シュートで再び勝ち越すと、39分には松井の突破からの右クロスに佐藤が粘り、最後はMF勝山あゆみ(2年)が左足ダイレクトで蹴り込んでリードを広げた。
後半は押し込まれる時間帯も増えたが、立ち上がりの相手の決定機はGKロブソン莉彩那(2年)が好セーブ。7分にはMF金澤道(3年)のシュートがバーをかすめたシーンもあった。
34分、佐藤のパスに抜け出した松井が右足で落ち着いて流し込んで公式戦では初だというハットトリックを達成。4-1で勝利した昌平が関東デビューとなった霞ヶ浦戦(1-0)に続き、連勝を果たした。また、佐藤はこの日が誕生日。自身のバースデーを勝利&2アシストで飾った。
森田光哉監督は「相手の監督さんもおっしゃってましたけど、90分見た時にお互い強度の高い良いゲームだったかなと思います」とコメント。一方で松井、金澤、佐藤、勝山の前線の4枚にボランチの鈴木志真子(2年)が絡みつつ、サイドバックが攻め上がるシーンが少なかっただけに「そこが繋がった時の脅威はすごい。そこから比べると、今日のゲームはまだまだ」とした。
昌平は今季2冠目を狙った総体予選で16強で敗退。佐藤は「いま思い出しても涙が出そうなくらい悔しくて。練習も試合も全部、南稜戦を忘れないで挑んでいるし、それぞれが気持ちを持って取り組んでいる。本当に高校サッカーが終わるまで絶対に忘れられない試合だと思うので、その気持ちを持って、絶対にもうこれからは負けないっていう気持ちでやっています」と語る。
チームとしてのショックは大きいものだったが、一方で森田監督は「あの敗戦から「まだ学べた」っていうことはすごく大きい」と話す。「今日もミーティングで言いましたけど、敗戦から学べたっていう結果論で言えるように、いまの取り組みが大事かなと思うので。このまま終わったらただの負けでしかないので、もう一回原点に立ち返る良いきっかけになったかなと思います」。
この日も前述の佐藤がドリブルとパスの使い分けを意識したり、それぞれがあの敗戦から学べたことにトライ。南稜戦でノーゴールに終わった松井は「自分が1試合に1点は必ず入れて、チームの勝利に貢献できるようになりたいと思った」という再開初戦でハットトリックと結果を残した。「あの敗戦があって良かった」。そう言えるように成長し、選手権では必ずリベンジする。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 4-1 スフィーダ世田谷FCユース
3(前半)1
1(後半)0