[高校女子]南稜が被シュート0で埼玉栄に完勝! 3大会ぶり2度目の戴冠へあとひとつ

高校女子の令和6年度学校総合体育大会埼玉県大会の準々決勝が6日に行われ、3大会ぶり2度目の優勝を狙う南稜は2-0で埼玉栄を下した。11日の決勝は川口市立との公立勢決に臨む。

この日は強風に加え、埼玉栄はDF美馬陽音(3年)、DF福田侑香(3年)、DF矢島妙(1年)、DF町田友香(1年)の4バックが自陣深くにラインを設定。南稜は間延びした中間でボールを持ちながら進めたものの、ハードワークしてくる相手を剥がすことができず、前半は苦戦した。

それでも南稜は10番FW高橋咲来夢(2年)やこの日はサブスタートだったMF関口愛果(3年)がドリブルとドライブで侵入。また、普段は右サイドが主戦だが、この試合は左サイドで起用され、「自分が持ったらもう前だけ見てドリブルをしようと思った」と話す右利きのMF矢部実佐子(1年)がゴールを目指したカットインから相手ディフェンスのズレを生じさせていく。

すると後半4分、DF高木莉乃(3年)のクロスを長身のMF松田涼(3年)が競り、「もうここしかないと思った。めっちゃドキドキしてました」と話す左SBの庄野歩乃佳(2年)左足を振り抜いて突き刺し先制した。これで流れを掴むとさらに19分には池上のコーナーキックからの混戦を今大会前に長期離脱から復帰したCB會田果乃子(3年)主将が詰めて2点目とした。

守備面ではアンカースタートのMF横山莉央(1年)が「自分の後ろにボールが入っちゃうと、11番(津島心音)とか7番(田中ひより)とか、うまかったり、ちょっと何か起きそうな選手がいたので、それは自分のポジショニングが多少悪くなったとしても、しっかり跳ね返した方がいいと思った」と相手の攻撃の芽を摘んで攻撃をシャットアウトし続けたことも大きかった。

ディフェンスラインも會田やフル出場したCB高木莉乃(3年)を中心に1試合を通じて集中を切らさず。準決勝で被シュート「0」に抑えきった南稜が2-0で勝利し、決勝進出を決めた。

南稜は桑山秀家監督時代の2021年大会で県内公式戦初優勝。近年では私学の優勝が続いていた中で埼玉県高校女子サッカーに新たな風を吹かせた。当時ヘッドコーチだった小椋大監督は「また駒場のピッチで決勝を迎えられるっていうのはすごい幸せなこと。この幸せを噛みしめて勝てれば一番良いと思う。まだPKで勝った1回しかないので、なんとか得点をして勝ちきりたい。その力はあると思う」と意気込みを語った。歴史を作った駒場で再び勝利の凱歌を響かせる。

石黒登(取材・文)

試合結果

南稜 2-0 埼玉栄
0(前半)0
2(後半)0