平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会北部支部準々決勝 熊谷 vs 本庄第一
平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会北部支部準々決勝。埼玉工業大学グラウンド2試合目は熊谷高校と本庄第一高校が対戦した。試合は3ー1で熊谷が勝利して北部ベスト4進出を決めた。熊谷は2月3日に行われる準決勝で県大会出場をかけて早稲田本庄高校と激突する。
昨年も同じく新人戦北部支部の準々決勝で顔を合わせた両チーム。その際は本庄第一が2ー1で勝利し準決勝に駒を進めたが、今回は熊谷がそのリベンジを果たした格好となった。
先制したのは熊谷。前半26分、縦への突破とスルーパスを得意とするFW内田太陽がエリア前で仕掛ける。一度はシュートも考えたというが、難しいと見るや「サイドを経由して中で決められたら」とすぐさまシフトチェンジして右サイドのMF佐藤遼平へのパスを選択。自らはそのままエリアの中に潜り込むと、佐藤のグラウンダーのクロスを詰めて試合を動かした。
前半32分には再びスコアが動く。佐藤のシュートのこぼれを「相手ボールになりかけたが、(ルーズボールに対して)バチっといけた」というMF柏坂康成が押し込んで2ー0とした。
後半も優勢に試合を進めながらもなかなか得点に至らずにいたが、31分に待望の3点目。決めたのはその7分前に投入されたばかりのMF鎌田光だ。先制点の内田からのパスに抜け出すと、「キーパーが横に強いと聞いていたので上を狙えば入るかなと。ループは遊びとかでもやったりするので」と意表をつくテクニカルなシュートを流し込んで試合を決定づけた。
本庄第一は後半アディジョナルタイムにDF福島拓実のゴールで1点を返すも反撃及ばず。3ー1で昨年のリベンジを果たした熊谷が準決勝進出、そして関東大会予選出場を決めた。
「今日は得点を先行できてスムーズに試合を展開できた」と熊谷・田渕常夫監督。「去年は負けて上に行けなかったので選手たちも強い気持ちで戦ってくれた」と試合を振り返った。
2点リードで試合を折り返した中で選手たちの頭に浮かんだのは新人戦初戦となった2回戦・滑川総合高校戦。この試合は先に相手に2点を先行される形でハーフタイムを迎える中で、後半に1点を返したのを境に形成が一気に逆転。その後2点を追加して3ー2と試合をひっくり返していただけに、「2ー0というスコアの怖さ」「1点の怖さ」は誰よりもわかっていた。
「(勝つためには)もう1点取らないと」(MF久米陸斗主将)と全員が切り替え臨んだ後半戦。相手にボールを持たれる時間も増える中で気持ちを切らさずに3点目に繋げた。
それだけに最後の失点は課題だ。「やっぱりああいうのがあると上では勝ちきれないところも増えてくると思う。次は0で行きたい」と柏坂。前線はアイディアのある選手が多く、攻撃力はチームの長所。得意のアタックを活かすためにも今後は守備力アップがテーマとなる。
昨年の選手権予選は1回戦、2回戦と勝って16強に進出したが、3回戦で浦和学院高校に敗れベスト8の壁に跳ね返された。今年はさらにその上の景色を見るために「新人戦で県ベスト16にいくことで、そこに対して本当に取りたいという気持ちになれるようなシーズンを迎えられるように」と田渕監督。県大会出場をかけた早大本庄との一戦は絶対に負けられない。
石黒登(取材・文)
試合結果
熊谷 3-0 本庄第一
2(前半)0
1(後半)0