天王山は西武台に軍配、延長戦の末に昌平を下す!FW鈴木洸晴がハットトリックで勝負決める
令和5年度埼玉県高校サッカー新人大会・準決勝(17日、昌平高会場)。プレミアEAST所属の昌平とプレンス関東2部の西武台の注目対決は、延長戦の末に西武台が3-2で勝利を収めた。
西武台は前半23分、右サイドのMF泉谷俊(2年)がカットインから粘ってラストパス。これにトラップで入れ替わったFW鈴木洸晴(2年)がしっかりと右足を振り切って決め先制した。
一方、昌平も準々決勝2発のFW中村公亮(2年)の抜け出しや、今季プレミアでもサイドバックとして活躍が期待されるMF中松陽太(2年)がゲームメイクや積極的な攻撃参加を見せる。
32分、MF甲斐田裕大(2年)の切り返しからのシュートは西武台GK松田聖也(2年)の好守に防がれたが、36分、今大会昌平の10番をつけるMF岩谷勇仁(2年)が右サイドからドリブルでスルスルとカットインし、左隅に決めて同点に。さらに前半ラストプレーとなった41分には中松を起点に左SBの佐藤公輝(2年)のクロスを甲斐田がボレーで沈めて逆転に成功した。
前半の戦いについて西武台・関根雄太コーチは「攻撃面でやっぱりもっとひとりひとりがボールをもらう前から周りを見て、関係を作ってというところを今週テーマにしていた。やっぱり昌平とやると考えた時に、ボールを握る時間を増やさないと絶対にきつくなる。でも、そこでみんながボールウォッチャーになって、ビビってプレーしているところが結構多々あった」と振り返る。
後半は中盤でタメを作ることができ、サイドチェンジも入れられるボランチの杉村洸汰(1年)を投入。また、スピードがあり、相手ディフェンスを“引っ張れる” MF太田和希(1年)を右サイドに配置する。再開後は途中交代の2枚が思い切ったプレーを見せる中でペースを取り戻す。
1分にはいきなりMF石井汰一(2年)の左コーナーキックから10番FW遠藤秀悟(2年)がヘディングで迫り、13分には鈴木洸が決定機を迎えたが、いずれも昌平GK白根翼(2年)のセーブに遭った。それでも西武台は26分、石井のフリーキックがクロスバーに弾かれたこぼれ球を遠藤が中に入れ直すと、鈴木洸が難しい体勢から右足ボレーで沈めて、同点に追いつく。
昌平は43分、途中出場のMF松本レイ(2年)が抜け出し、切り返しから左足で狙ったが、惜しくもサイドネットに。80分で決着がつかず、勝負の行方は延長戦にもつれ込むこととなった。
延長前半も両チーム友に無得点で終えた最後に決めたのはこの日の主役のサイドアタッカーだった。延長後半2分、石井のクロスをCB谷口輝(2年)がヘディングで折り返すと、鈴木が三度右足でネットを揺らし、ハットトリック達成。これが決勝点となり、西武台が天王山を制した。
準々決勝の聖望学園戦でも決勝弾を決めた11番は「今日はもう得点っていうイメージしかなかった。(決勝点は)マジで気持ちよかったです」と笑顔。その中でも「みんなが良いボールを上げてくれるので自分も得点できる。みんなに感謝ですね」と仲間たちへの感謝も忘れなかった。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 2(延長)3 西武台
2(前半)1
0(後半)1
0(延前)0
0(延後)1