連覇を狙う武南、埼玉平成に3発発進も「まだまだ」 今年も「競争」掲げ、成長目指す
令和5年度埼玉県高校サッカー新人大会が10日に県内4会場(武南フットボールフィールドほか)で開幕。昨年大会覇者の武南は3-0で西部支部2位の埼玉平成を下し、初戦を飾った。
武南は昨年、新人戦、関東大会、インターハイ予選と県内3冠したチームからメンバーが大きく入れ替わり。その中でも昨年の経験値を持つMF大熊來瑠(2年)が果敢に仕掛けてアタックをリードし、10番の有川達琉、MF関口海龍(ともに1年)の両サイドを中心に攻撃を展開した。
一方、川崎フロンターレDF佐々木旭を擁した2017年以来7年ぶりの同県大会に出場した埼玉平成も昨年からの主力であるFW佐藤快琉(2年)、DF菅野健藏(2年)の左サイドから多くアタック。この日はウイングを務めた佐藤が積極果敢に仕掛け、9分には単騎でゴールに迫った。
先制点が鍵を握った中で武南は前半30分、CB倉本健二(1年)のスルーパスからFW河西琥(2年)がエリア右に抜け出し、前に出たキーパーとの1対1を冷静に沈めてスコアを動かした。
後半も相手コートに押し込んで進め、28分には高い位置でボールを奪った関口が仕掛けからエリア内で倒されペナルティキックを獲得。これを1年生10番の有川がきっちりと流し込んだ。
さらに34分、コーナーキックの2次攻撃から有川と繋ぎ、河西がシュート。これは相手ディフェンスに当たったが、ディフレクションを倉本がボレーで決めて3-0で勝利し初戦を飾った。
3発発進も内野慎一郎監督は「初戦でいろいろ固い部分だったり、ほぐれていない部分もあったと思うんですけど、それを差し引いても身体の部分でも、技術的な部分でも、考え方の部分でも、完成にはまだほど遠い」と引き締めた。今年も引き続き「競争」を掲げ、現在は35人以上の大きなスカッドで競わせながら戦える選手をひとりでも多く増やしていくことがいまのテーマだ。
前述のように昨年は3冠を達成。今大会は今年最初の連覇がかかる。ゲームキャプテンを務めたCB杉浦陸玖(2年)は「去年の松原(史季)選手みたいにスター的な人があまりいないので、チーム全体で、みんなで団結力を持ってやっていくことが大事。まずはこの大会で優勝して、次の関東予選、インターハイに向けて、全国に向けてやっていけるように」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 3-0 埼玉平成
1(前半)0
2(後半)0