逆転許すも顔を下げず臨み、同点弾&PK戦で勝利!大宮北が川口青陵を下し南部8強入り
令和5年度高校サッカー新人大会・南部支部の3回戦が20日に行われた。大宮北と川口青陵の一戦は互いに譲らずPK戦にもつれ込んだ中で大宮北が競り勝ち、南部8強入りを果たした。
大宮北・工藤陽監督は「きつかったです。でも勝つなら延長とかPKだなと思っていたので今週ずっとPK練習もしていた」と明かし「彼らの練習してきた成果だと思います」と選手を労った。
入りから「まずは守備から」を徹底。またその中で「守備のトレーニングの中でも必ず守備側でも逆にゴールを設定して、トランジションとか切り替えっていうのはやって終わりっていうことはないようしている」というチームは押し込まれる中でも切り替えの早いアタックで迫った。
先制点はまさに練習を積んできた形で前半27分、前線から限定をかけて奪い切り、そこからFW 萩原陽大(2年)がドリブルで運び出す。そしてラストパスをMF安東幹(1年)が流し込んだ。
一方、昨年支部4強の川口青陵も技巧派MF野村真柊(2年)を中心に押し込んで進め、野村やMF大沼礼音(1年)が決定機を迎える。前半は得点を奪い切ることができなかったが、後半17分、コーナーキックのこぼれ球をDF中村光希(2年)主将が右足で対角に突き刺し同点とした。
川口青陵は33分、野村の左足のシュートが枠を捉えたが、ここはGK小倉正大(2年)がワンハンドで掻き出した。大宮北は後半耐える時間が増え、終盤には前線での貢献度の高かった10番のFW児玉昌汰(2年)主将らが足をつらせるなど、厳しい時間帯が続いたが耐え凌いだ。
試合は1-1のまま、延長戦に突入。川口青陵は延長前半3分、スローインからの展開で野村がクロスを入れると、ファーサイドに走り込んだ大沼がヘディングでゲットし、ついに逆転した。
大宮北にとっては苦しい展開。それでも顔を下げる選手はいなかった。萩原は「負ける気はしなかった。みんなで「顔を上げろ!」とずっと声を掛け合って、ダメなところは修正しあって、最後まで持っていけた」と自信を見せる。初戦の開智中高戦は失点し、ガクンと落ちる部分もあったが、この日は「絶対にまだ取れるぞ!」と声を掛け合う姿に工藤監督も成長を感じたという。
すると延長前半10分だ。「コーチが「斜めの抜け出しを意識しろ」と言ってくれて、それを意識していた」。DF齋藤泰河(1年)のロングパスに抜け出した途中出場のMF平匠翔(2年)が相手ディフェンスと競り合い、こぼれたボールを押し込んで同点に追いつくことに成功する。
大宮北は試合終了間際、今大会PKキーパーを務める角昇汰(2年)がピッチへ。迎えたPK戦、「後ろにいくにつれてどんどんプレッシャーもかかってくるので1本目にできるだけ止めたいと思っていた」。角は先行の相手のキックを読み切り、左に飛んで阻止。大宮北は「練習通りやるだけだった。自信を持って蹴り込んだ」と話す萩原ら4人全員が成功させて勝利をものにした。
これで南部8強入り。2018年選手権以来の県大会となる関東予選切符にあと1勝と迫った。工藤監督は「ここからあと強いチームと3つやれるというのが多分彼らの中ですごく大きいので、厳しい戦いばかりですけどなんとか頑張らせたいと思います」と話す。児玉主将は「あとひとつ勝って関東予選に行きたい。みんなでハードワークして戦っていきたい」と意気込みを語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
川口青陵 2(2PK4)2 大宮北
0(前半)1
1(後半)0
1(延前)1
0(延後)0
2(PK)4