大宮U15が3発快勝でベスト4進出! 大宮の良さ「プラスα」を体現し広島JYを圧倒
高円宮杯 JFA 第35回全日本U-15サッカー選手権大会の準々決勝が23日に群馬県のアースケア敷島サッカー・ラグビー場ほかで行われた。サンフレッチェ広島F.Cジュニアユースと対戦した大宮アルディージャU15は3-0で快勝し、4大会ぶりとなるベスト4進出を果たした。
大宮U15は前半6分、ゴール前の崩しからこぼれ球を「フォワードとしてやっぱり点にこだわっていた」というFW中島大翔(3年)が右足を鋭く振り抜いて突き刺し、幸先良く先制した。
一方で「前半は風下で、ちょっと自分たちのやりたいサッカーにそこまでチャレンジできていなかったところはあった」(丹野友輔監督)。前からプレッシャーに来る相手に対し、「そこは中でしっかりと判断して、長いボールを入れて、セカンドを拾って、相手コートに入っていくっていう、それはどっちを選んでもいいよという話だった。ただこっちからしたら、もうちょっと後ろで組み立てて、自分たちの時間をっていうのをやりたかったなというのは本音です」と話す。
それでも風上となった後半は、時間を作ることができるU-15日本代表のMF神田泰斗(3年)主将や同MF代表候補の小林柚希(3年)を中心に多くの時間でボールを握って展開。また、「特に切り替えのところはすごい徹底して良かったと思う」(監督)。切り替えの速い守備からMF髙橋祐輔(3年)が攻撃の芽をすぐさま摘み、連続攻撃に繋げて相手を陣地に釘付けにした。
「大宮の良さっていうところプラスα、やっぱりああいう切り替えの速さとか、球際の強さとか、ハードワークっていうのは、やっぱりもっと求めていかなくちゃいけないんじゃないかなというのは感じていて、彼らにずっと去年から働きかけている部分でもあったので、まだまだ足りないところもたくさんありますけど、でもいま持っているものをすべて出してくれたなと思う」
25分、FWエドワード真秀(3年)のシュートがポストに当たったこぼれを中島が武器のスピードで詰めて2点目。また、36分にはMF石川匠(2年)が左サイドを抉り、クロスにFW福原浬翔(2年)が合わせて3点目とし、勝負を締めくくった。後半はやりたい形を体現しながら石川、福原ら途中出場組も結果。丹野監督も「出来すぎなくらい」と後半のプレーを振り返った。
今季は強豪揃いの関東1部で優勝。「攻守においてみんながハードワークするところ、チームのために戦うというところ、そこでチームとしての一体感が生まれて、その要因になっているのかなと思います。誰もサボる選手はいないですし、最後ゴール前の局面でも身体を張るところとか、そこは勝ちの要因になっているのかなと思います」。守備面でも今季は18試合13失点(最少失点)。今大会も中澤凜(3年)、熊田佳斗(2年)の長身CBコンビを中心に1失点に抑えている。
主将の神田は「いつも自分たちは強度の高い守備と、攻撃でもポゼッションでも相手を圧倒するっていうのを理想としてずっと積み上げてきた」と話す。その上で「今日は守備とかで主導権を握った感じなんですけど、次回は守備でも、もっと攻撃でも主導権を握りながら戦いたい」と攻守においてさらに相手を圧倒しながら、奥抜侃志らを擁した2013年以来となる決勝進出を狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
サンフレッチェ広島F.Cジュニアユース 0-3 大宮アルディージャU15
0(前半)1
0(後半)2