令和５年度中体連サッカー新人大会準々決勝・準決勝（10日、RHF駒場、浦和駒場スタジアム）。決勝進出とはならなかったが、狭山中央中は自分たちが掲げた目標を越え、４強入りを果たした。

新チーム発足時に掲げた目標は「ベスト８」。３回戦でさいたま土合中に延長戦の末に勝利し、その目標を達成した狭山中央中は新たな目標に向け、準々決勝で伊奈南・伊奈中合同と対戦した。

序盤は一進一退だった中で伊奈南・伊奈中合同が攻め込む回数を増やすと、後半は右SH藤田悠汰（２年）のスピードを生かした攻撃や10番MF吉田壮助（２年）を起点に相手を押し込んだ。

３回戦に引き続き、後半は特にタフな展開を強いられることとなった狭山中央だが、「ひとりひとりの個の力が相手はあって、やっぱり飛び込むとすぐに抜かれちゃうのでそういうのを意識しながら守備しました」と話す早坂槍介（２年）主将、「守備に関してはちゃんと身体を入れて守り切ることができた」という野口康介（２年）のCBコンビを中心に粘り強い守備を見せる。

伊奈南・伊奈中合同は22分、MF志賀世渚（２年）のスルーパスからFW関矢凰汰（２年）が、30分には藤田が抜け出したが、いずれも狭山中央中GK吉岡唯人（２年）が１対１を防いだ。

延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦へ。狭山中央中は２回戦の越谷富士中戦でもPK３本を止めて自信を深めていたという吉岡が魅せる。１本目は決められたものの、いきなり手に当てていくと迎えた２本目。「真ん中を意識しながら、遠くに来たら手が届く位置に飛ぼうと思っていた」。最後まで相手の動きを見ながら、真ん中に来たボールを残した左足でストップ。その後、１本外した伊奈南・伊奈中合同に対し、狭山中央は全員がゴールに沈めて、勝利を掴んだ。

準決勝でさいたま南浦和中に敗れたが、堂々の４強入り。３回戦後、早坂主将は「やっぱり目標って叶えられなくても、立てることでそこを目指して切磋琢磨していくのが大事だと思う」と話していた。今度は新しく生まれた「決勝進出」という目標に自分たちを合わせるべく成長する。

石黒登（取材・文）

試合結果

狭山中央中　０（４ＰＫ３）０　伊奈南・伊奈中合同
０（前半）０
０（後半）０
０（延前）０
０（延後）０
４（ＰＫ）３