武南が4大会連続の関東本大会出場権獲得! エースMF松原史季が絶妙ヒール&クロスで2アシスト
名門復活へ、歩みを進める武南がまずは本大会出場切符を獲得。令和5年度関東高校サッカー大会県予選の準決勝が26日、浦和駒場スタジアムで行われ武南と浦和東が対戦。3-0で勝利した武南が決勝進出とともに、4大会連続となる関東本大会(5月26~29日/東京)を決めた。
立ち上がりから押し込んだ武南は前半28分、右サイドの連携から10番のエースMF松原史季(3年)がアイデア性溢れる絶妙なヒールパス。これにエリア右ポケットに抜け出したMF川上旺祐(3年)が飛び出してくるGKを冷静に見て、最後はループで冷静に流し込み先制した。
一方、浦和東もバックスタンド右側を埋め尽くした全校応援による大声援を背にCB小山紘輝(3年)主将や守護神の中村真也(3年)が粘り強く守る。勝負に出た後半は小山のロングスローや左MF田中涼賀(3年)の推進力、セットプレーからゴールに迫った場面も何度かあった。
武南は試合を通じて多くの時間帯でボールを持って進めたが、サイドを意識するあまり選手間の距離が開いてしまい、2次攻撃、3次攻撃に繋げられないような状況もあった。それでも34分にFW文元一稀(3年)を投入すると、キープ力のある文元をトップでピン止めさせつつ、周りがランニング。右サイドに移ったFW戸上和貴(3年)がややインサイドにポジションを取り、空いたスペースをHTから出場のスピードのある右SB飯野健太(3年)が突いて攻撃した。
37分には松原の左クロスから戸上が左足のハーフボレーで突き刺して追加点、41分には文元がゴールを決めるなど、終盤に2得点を重ねて3-0で勝利した。内野慎一郎監督は「(終盤は)うまく良い循環になったので、結果的にそういう結果になったし、結果的にそういう雰囲気に持って行けたのはひとつの経験として悪くなかった。こっちでもボードを使いながら考えていましたけど、そこに行き着けたのは良かった」としつつ、「そういうのも俯瞰して見られるようになってくると本物になってくるのかなというのは感じる。チームとしてまだまだです」とした。
今大会は初戦となった狭山ヶ丘戦から、ある程度引いて守ってくるチームとの対戦が続く中で、そういった相手を崩すために武南特有の「ひねり」とシンプルに味方を使っていく「素直さ」の使い分けというのはひとつのテーマ。川上も「(状況に応じて)もっと効果的なパスをしていかないといけない」と課題を語る。昨年は同じような状況で涙を流してきたが、そういった相手にも安定して勝利できるようになったのはひとつ成長。さらに上に行くために判断にもこだわる。
30日の決勝では新人戦に続く2冠目と、内野監督体制初年度だった2019年大会以来となる優勝&各都県1位が集うAグループへの進出をかけて初の決勝進出となる埼玉平成と対戦する。
ヘディングで抜群の強さを見せていたCB小金井遥斗(3年)は「次勝って第1シードを獲得して、他の県の強豪とやってみたい。他県の強豪とやって、自分のヘディングがどれだけ通用するのか、チームの攻撃力がどれだけ通用するのか知りたい」と話す。目標はあくまでもインターハイ、選手権だが、自分たちの現在位置を把握するためにもよりレベルの高いチームが揃うAグループで戦うことは今後に向けて財産となる。決勝もしっかりと勝って、関東大会で力試しする。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 3-0 浦和東
1(前半)0
2(後半)0