雷順延の難局も成徳深谷がベスト8に進出! 準々決勝は深谷ダービー、鈴木嵐「負けられない」

令和5年度関東高校サッカー大会県予選・2回戦。雷雲接近のため、順延となっていた成徳深谷と市立浦和のゲームが19日に再開され、成徳深谷が3-1で勝利して準々決勝進出を決めた。

本来は16日に開催されていた試合。成徳深谷が前半3分、MF福島叶都(3年)のゴールで先制したが、市立浦和も10分にCKからの混戦をDF石田凛(3年)が詰めて同点とする。34分に成徳深谷は福島がこの日2点目を決めて勝ち越したが、その1分後に雷雲接近により試合が中断。雷雲が晴れるのを待ったが、コンディションが回復しなかったため、中止が決定していた。

19日は35分から再開。成徳深谷・為谷洋介監督は「この5分やって、10分インターバルというのをどうしようかというのを2日間考えていて。もちろんリードしているから相手は取りに来なきゃいけない。どうやっても受け身になるだろうなというところで、そこはもう割り切って相手コートでやろうということを徹底させた」と話す。前半はチャンスを作られるシーンもあったが、後半は相手コートで進めると、やはりこの日もキーとなったのはセットプレーだった。

成徳深谷は後半11分、セットプレーからの2次攻撃で左SBの鈴木嵐(3年)が中央に入れると、混戦を福島がヘディングで詰め、世にも珍しい“日跨ぎ”でのハットトリックを達成。10番MF福島雪翔(2年)の怪我により、この試合はトップ下で先発したが、3得点と結果で応えた。

その後も成徳深谷は22日に行われる準々決勝の戦いも見据えながらメンバーを入れ替えつつ、FW秋本光瑛(3年)が抜群の高さを見せ、32分には成長株のMF藤村岳渡(2年)がゴールに迫るなど、試合を通して相手を押し込み3-1と完勝。ベスト8の最後の一枠を掴み取った。

次戦は正智深谷との「深谷ダービー」。試合は2回戦に続き、1月に全面人口芝に改装されたBUNANフットボールフィールドで行われることもあり、武南出身の為谷監督は「深谷ダービーをここでやるというのは。第2グラウンドがこういうふうになるというのは感慨深い」と目を細める。主将の秋本とともに部長として今季のチームを牽引する鈴木は「同じ深谷同士で負けられない。勝って、しっかり関東大会に出られるように、今年こそは頑張ります」と気合を入れた。

一方、新人戦のリベンジを狙った市立浦和は10番のFW田中悠真(2年)が再開前のゲームで脳震盪を起こし、復帰プログラムのため無念の途中交代に。スピードのあるMF横井葵(2年)を投入し、カウンターからの一発を狙ったが、後半頭の失点がプランに重く響いた。終盤は石田を前線に出し、得点を狙ったが、相手の勢いを前になかなかチャンスを作ることができなかった。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 3-1 市立浦和
2(前半)1
1(後半)0