栄東が2点差を追いつきPK戦で勝利! 「自信を持ってゴール前に立てる選手」1年生FW加藤諒が追撃弾&同点弾
令和4年度高校サッカー新人大会・南部支部1回戦(14日)。栄東と岩槻の一戦は、強度の高い好ゲームとなった中で、2点のビハインドを追いついた栄東がPK戦の末に逆転勝利を飾った。
先にスコアを動かしたのは岩槻だった。前半23分、GK園田健斗(1年)のロングフィードからMF高橋叶晟(2年)が抜け出し、前に出たGKを冷静に見極めてループシュートで決めた。
「セットプレーは相当やってきた」(柏剛史監督)という岩槻は1本目のFKからGK園田が前に出るなど、大胆な戦略を見せる。28分には10番MF冨田幸宏(2年)の左サイドからのFKに園田らがゴール前に飛び込み、混戦になったところをDF長谷川修杜(2年)が押し込んだ。
一方、先に2点を失った栄東だが、ここで気持ちを切らさず、前半終了間際に取った1点が流れを変えた。38分、ゴール前の混戦をFW加藤諒(1年)が押し込んで1点差として折り返す。
すると後半は栄東が勢いを持って攻め込む展開が増えた。5分には加藤が決定機、その後も途中出場のDF前原悠希(1年)がゴールに迫る。岩槻はGKの園田が好セーブを連発して耐えたが、30分、ついに同点ゴールを許す。決めたのは前半終了間際の追撃弾で流れを作った加藤だ。
左からのクロスを中央で収めると、右足を豪快に振り抜いて決めた。石橋寛之監督も「自信を持ってゴール前に立てる選手」と話す1年生FWは「吉川(智彬)先輩に入った時に「あっ、これは来るな」と思った。ちょっと味方に当たったんですけど、うまく足下で収まってくれて、あとはもう気持ちですね。(入った瞬間は)もう感情爆発でした」と殊勲の同点ゴールを振り返った。
試合は延長戦でも決着が付かず、勝負の行方はPK戦へ。岩槻はこの試合、何度も好セーブでチームを救っていた園田が先行の相手の1本目を止めて先にリードを奪ったが、3人目、5人目のキッカーが失敗。逆に栄東は続く4人がしっかりと決めて、PKスコア4-3で勝利を収めた。
「(今年は)選手たち同士が結構よくしゃべる。チーム運営やマネジメント、どういうチームにしていくというのは、キャプテンを中心に任せている部分が大きいので、難しいとは思うんですけど、それでもやっぱり自分たちでコミュニケーションを取ってやっていると思います」(監督)
チームの根幹はボトムアップスタイル。1月は入試もあり、7日に最後練習をしてから試合日前日の13日まで学校に入ることができないなど難しい部分もあったが、自分たちでグラウンドを取り、メニューを決め、自主練を行いながらこの日を迎えた。主将のDF服部明良(2年)は「ちゃんとひとりひとりが声を出して、そこで空気を上げられたかなと思う」と激戦を振り返った。
石黒登(取材・文)
試合結果
栄東 2(4PK3)2 岩槻
2(前半)1
0(後半)1
0(延前)0
0(延後)0
4(PK)3