中学時代のチームメイトから刺激を受ける、エースNo.10がピッチ内外でチームを引っ張る。

早大本庄MF浦川舜（２年）は初戦の合同（児玉・鳩山）戦にスタメン出場すると、前半だけで４ゴールを記録。後半もさらに１ゴールを決めて、チームトップの５ゴールを奪った。それでも「今日は個人としてはかなりひどかった。もっと全然出来た」。サイドでボールを持った際に仕掛けではなく、縦パスを探してしまったとし「もっと自分でやっても良かった」と反省していた。

浦川は２年時から10番をつけるチーム期待の選手。今年はキャプテンマークも巻く中で「新チームとしていろいろなことをどんどん変えていく。チームの練習とかルールとか、そういうところを全員で変えていこうと本気でやっている」と改革に取り組むチームを先頭に立って牽引する。篠田洋之監督も「（ピッチ内外での）影響力はやっぱり大きいですね」と絶大な信頼を置く。

左利きの右SHで最大の武器は相手を抜くドリブルを生かしたカットイン。一方で今年は冬に左足を怪我したのをきっかけに右足を強化。「去年は左を警戒しておけばいいぞ、みたいな選手だった。今年はカットインを見せるけど、それを警戒されたら縦にも行けるし、アーリークロスも上げられる、相手が何をしてくるかわからない選手になりたい」と、もう一段上の選手を目指す。

そんな浦川が刺激をもらっているのが中学時代に所属したACアスミの仲間たちの存在だ。昨年のインターハイ予選決勝には、武南DF鈴木翔太（２年）、MF山本昇汰（２年）、MF山田藍大（２年）、GK前島拓実（１年）、正智深谷MF平田脩真（３年）、FW山口陽生（３年）、DF中山光望（３年）、GK山際匠（３年）、DF江川優一都（２年）など、多くの元チームメイトたちが関わっていた。また、全国に目を向ければ、静岡学園FW荒井駿希（３年）が活躍している。

特に意識しているというのが、昨年から強豪・武南のレギュラーCBを務める同学年の鈴木。系列の上尾朝日FC時代からのチームメイトで「小学校の頃からどっちもずっとスタメンだったんですけど、やっぱり練習とかの１対１とかでも全然抜けなかった。（高校では）鈴木を抜けるように頑張りたいと思ってやっています」。今年は県大会で旧知のライバルとの対戦を夢見る。

「去年悔しい想いをしたので、絶対勝てるチームになる。選手権を目標に置きつつ、一個一個のトーナメントで結果を残していけるように、チームとしても個人としても大きくレベルアップ出来る年にしたい。歴代最高の成績を出したいですし、ただ勝つだけじゃなく、内容とか質とかにもこだわって、「今年の早稲田すごいな」「なんか違うな」と思わせるような代にしたいです」。

石黒登（取材・文）