ロングスローから貴重な先制点を演出。立教新座FW齋藤洋大「今後の成長にも繋がる」1点に
途中出場からロングスローで貴重な先制ゴールを演出。立教新座FW齋藤洋大(2年)は「自分がプレーに入る時、精一杯出来ることをしようと準備していました」と自分が出場した時のことをしっかりイメージしながらピッチに立つと、延長戦でゴールをこじ開けるきっかけとなった。
前田和伸監督は齋藤について「あまり器用ではないんですけど、前で起点を作れる。あとはこういうトーナメントでひとつ飛び道具があるというのは武器になる。彼を出した時間帯もちょっと流れが相手に行きかけていたので、流れを変えるという意味もあった」と起用理由を語る。
「自分は足下というよりは競り合ったり、身体を使ったプレーが得意なので、そういうところで自分の色を出せるようにしようと思っていました」と齋藤洋。後半16分からピッチに立つと、身体を張ったプレーでポイントを作るなど、チームに前半になかった新しい色を加えていた。
そしてもうひとつ、背番号26の投入で加わったのが『ロングスロー』だ。しかし、ロングスロー自体「2年生になって投げ始めたので、やっている母数が少ないというのはありますし、その中でも成功率はあまり高くはなかった」。これまで試合で成功したのは1、2回だったという。
それでも「今日の1回目は段差(レール)があるのに慣れていなくて、あまり飛ばなかったんですけど、何回か投げるうちにそれにも慣れてきて、足も合うようになって、すごく飛んだので、入りそうだなと思っていました」と自信を深めていくと、ついにそのスローからゲームを動かす。
延長前半8分、右サイドから齋藤洋がロングスローを放ると、ニアサイドで齋藤隼が競り、こぼれ球をMF高松大地(3年)がダイレクトで合わせる。シュートは枠を捉えたが、ここは相手選手がゴールライン前で決死のクリアをしゴールとはならず。しかし、逆サイドに蹴り出されたボールを見て、齋藤洋はむしろ「もう1回行けるな」とポジティブな考えを持っていたという。
そして迎えた9分。「隼一先輩がやっぱりターゲットとしてとても背が高くて、競り合いも強いので、そこを狙って投げました。触れば入るか、隼一さんが逸らして、そこからゴールに繋がるようなイメージでした」。左サイドから発射されたボールはターゲットの齋藤隼めがけてグングンとゴール前へ。するとこれが相手のオウンゴールを誘い、89分目にしてスコアを動かした。
「(これまでロングスローの成功率が低かった中で)今日、ロングスローから点に繋がったのは自分でもびっくりしましたし、それが出来たことは今後の成長にも繋がると思っています」と本人もとっても大きな1点。これを境に立教新座は延長後半にも2点を加え、3-0で勝利した。
今シーズンは新チーム発足直後こそ出番があったというものの、実力不足でトップから遠のくこともあった。それでもここに来て再び出場機会を掴み、準々決勝の大舞台でチームを乗せる先制点を演出した2年生FWは「これからスタメンを取れるように頑張ります」と力を込めた。
石黒登(取材・文)