初戦で4ゴールの活躍!南稜FW山中薫子が身につけた自分で「決めきる」という感覚


南稜FW山中薫子(3年)は選手権予選初戦で進化を感じさせる4ゴール。「公式戦でこんなに取ったのは初めて」という得点数はもちろん、ゴール外でも成長を感じさせるプレーを見せた。

前半4分に裏抜けから1点目とすると、次はコーナーキックを頭で運んだ。さらに26分にはフリーキックと、多彩なパターンからネットを揺らし、早々にハットトリックを達成してみせた。

また、この試合で多く見られたのがゴールへ向かう意識。後半19分の自身4点目はエリア内で収め、ターンから放ったシュートだったが、これはいままでの山中にはあまりないプレーだった。

「彼女の最大の課題はボールを受けて、前を向いてシュートだった。繋ぐことにすごく意識のある子なので、前を向いてシュートを打つということがなかなか出来なかった」と桑山秀家監督。本人も「自分でシュートを打って決めるのもいいんですけど、アシストだったり味方が決めやすいように組み立てるのが自分的には好き。なので自分が、というのはあまりなかったですね」とゴールより味方を生かすポストプレーに喜びを見いだすタイプだったことを隠そうとはしない。

それでもこの夏はよりゴールに迫るために意識改革。「夏休みの練習試合とかでもすごく怒られて、試合を1回出されることもあった。それが悔しくて、前を向こう、シュートを打とうと思いました」と山中。それが実り、少しずつゴールを向いて、シュートする手応えも手にしている。

そして選手権初戦となったこの試合で4得点を奪ったエースに指揮官も「ものすごく心強い」。新たな役割、ストライカーとして進化を見せる背番号9は「前回(学総決勝)徳栄にPKで勝って、その試合で点を決められなかったので、今回はどこが来てもPKではなくて、ちゃんと得点を決めきって、勝てるように頑張りたいです」と、今回は自らのゴールでチームを2冠に導く。

石黒登(取材・文)