選手権Vキーパー、OB熊倉匠が大一番を前に練習参加。選手たちにとっても大きな刺激に

レジスタは前日選手たちを驚かせるサプライズがあった。OBであり、今年1月の選手権大会で優勝した山梨学院高を牽引したGK熊倉匠が準決勝、決勝を控えた12日、練習に参加したのだ。

10期生にあたる熊倉は6年時に主将として全日本少年サッカー大会に出場。その後はFC東京U-15深川でクラブユース選手権準優勝、山梨学院高1年時にはインターハイ優勝メンバーにも名を連ねた中で最終学年となった今年の選手権で獅子奮迅の活躍。青森山田との決勝は同大会3度目のPK戦となったが、しっかりとストップを決めるなど、地元埼玉で日本一に輝いた。山梨学院高卒業後は熊谷市にグラウンドを持つ立正大に進学し、4年後のプロ入りを狙っている。

選手たちにとっても熊倉はテレビで見ていた一番身近なヒーロー。センタリング時にゴールに入ってもらったという山﨑佑太は「でかさとか、足の長さとかも含めてすごかったです」。藤澤開次は「キャッチミスもほとんどなくて、安定している感じでした」。その中で「どんなシュートが入るのか、ずっと考えていました」とゴールへのイマジネーションを掻き立てられたようだ。

中城勉監督も「すごく勇気づけられた」とし、「OBにそういう先輩がいるということで自分たちももっと頑張りたいという想いを持ったり、一緒にトレーニングしてくれた中で子供たちもすごく笑顔になって、ある意味緊張感も取れた。彼らにとっても良い目標になる。そこからまた次々育っていってほしいなと思います」と熊倉に続き、上のステージでも活躍して欲しいとした。レジスタ連覇の裏にはそういった歴史を作った先輩たちからの刺激もあった。

石黒登(取材・文)