柴圭汰が語った信念「歩みを諦めずに信じてやり続ければ結果は出る」 ターニングポイントとなった中学時代の恩師との出会い
「プロサッカー選手になれなかったら一生後悔する」
―最初からハキハキと話していたが、緊張とかはあまりなかった?
最初の挨拶で違うことをしゃべろうと思っていたんですけど(笑)、ちょっと飛んでしまって、小さい選手の目標と言う言葉はすごい残っていたのでそこを話そうと思いました。でも1回話したら全然緊張しなくなったので、そこからはスムーズにいけました。
―福島に行くことになった経緯。どのタイミングでオファーが?
もともと試合を見に来ているというお話は頂いていたんですけども、オファーをもらったのは9月末とかです。施設見学して、素晴らしい環境だったのですぐに入ろうと決めました。
―大学経由ではなく、高卒プロ入りを選んだのは
2年生のはじめは勉強で行こうかなと、自分は特進アスリートというちょっと上のクラスなんですけど、そこで勉強で入ろうかなと考えていた時期もあったんですけど、やっぱりサッカーも両立する上でどっちにも手を抜きたくないという部分もあって、勉強とサッカーでいったらやっぱりサッカーを重視したいところもあったので(笑)。そこはでも本当にサッカーをやりながら、勉強でも換えが効くような努力をしていました。
―実際に福島から声がかかったと聞いた時の心境というのは
素直にめちゃくちゃ嬉しかったですね。こういう身長(162cm)でも拾ってくれるチームがあるというのは自信になりますし、本当に嬉しかったですね。
―そこはチャンスがあるならJ3でもと
はい。自分は身長も大きくないので、大学に行って試合に出られるかもわからないところもあった。いまここでこういったチャンスを無駄にして、もし怪我したり、試合に出られなくてプロサッカー選手になれなかったら一生後悔すると思ったので、自分はもう本当に決めましたね。
―福島に入るにあたって先輩の鎌田(大夢)くんには相談したりは?
相談はしてないんですけど、「行くことになりました」と言ったらすごい喜んでくれていました。
―鎌田くんも1年目からかなり絡んでいるからイメージはつきやすかったんじゃないでしょうか?
はい。すごい大夢くんがいる存在はとても大きくて、わからないことだったりも大夢くんに聞いたり、チームに馴染めやすくなると思っているので、そこは本当に頼りにしたいです。
ターニングポイントとなった小針中・堤皇人コーチとの出会い
―会見ではセカンドキャリアの話もしていました
はい。心配性なので先を一応見据えていかないとなと思って。
―指導者のようなことをやりたい?
そうですね。指導者にはいま(セカンドキャリアで)一番なりたいですね。中学校で自分はターニングポイントというか、すごいいろいろなことを教わったので、自分もそういった人の人生を変えられるというか、人に影響を与えられるような先生、指導者というか、そういう人になりたいと思っているので、そこはいまはすごい教師になりたいというのはありますね。
―影響を受けたというのは小針中時代の外部指導の堤皇人コーチ?
そうですね。本当にその方にいろいろ教わったので。本当にこう言ってはあれなんですけど(笑)、自分は小学校から中学校の時はすごいひねくれ者というか、口も悪くて、本当に態度とかもすごく悪かったんです。でもその3年間でサッカーだけじゃなく、本当に人生で一番大事な人としてのあり方というのを教わる部分があったので、その3年間は本当にすごい大きな、いまの自分の成長に繋がっている部分だと思っています。
―どんなことを一番教わったか
本当に世の中の厳しさというか、社会に出た時の厳しさだったり、仲間を大切にすることだったりというのを1から、本当に情熱を持って教えてくれた。性格は変えられないと思うんですけど、本当にそういった価値観を養うことができたので、そこは本当に素晴らしかったですね。
結構自分は(中学時代は)他人のせいにしたりしていた部分もあったので、そこを自分にベクトルを向けるじゃないですけど、「自分と向き合え」ということをすごく言われた3年間でした。それがあったからこそ、高校3年間も乗り越えられたというか、まだ残っていますけど、成長に繋がったのではないかなと思っています。
―いまの柴くんの真面目な性格は中学3年で出来たんですね。
そうですね。自分が中学校1年生で3年生の先輩とかには本当に生意気な態度を取っていたので、いまこんなに敬語とか使えたりするのは本当に驚かれるくらいやばかったので(笑)。
―それだけ影響を受けた人だったと
本当に中学校3年間で自分の生活がすごい大きく変わって、人生でも忘れないというか、宝物になる時間だったと思うので、自分もそういった人に影響を与えられるような人になれるように、目標としている人ですね。
「歩みを諦めずに信じてやり続ければ結果は出る」
―1年目の目標、将来的な展望
1年目から試合に関わって、結果でも数字でも残していけたら自分自身上にステップアップできると思うので、本当に1年目から試合に関わるつもりで努力していきたいと思っています。
本当にこの3年で結果を残して徐々にステップアップして、個人としてもJ2、J1で戦いながら、日本代表に選ばれることが目標なので、そこは貪欲に努力して現状に満足せずにさらに上を目指せるようにしていきたいです。
―福島がステップアップを推奨しているのも大きかった?
そうですね。J1、J2に行って、自分の身体だと試合に出られないこともあると思っていたので、少しJ3で試合に出る経験を積んでから上に行くのも全然遅くはないと思う。すごい大切な期間、この3年間が本当に勝負だと思うので、早く試合に関わって、課題のフィジカルといい、技術といい、磨いていけたらなと思っています。
―湘南とも提携しているから、もしかしたら憧れの齊藤選手とやれるかもしれないですね。
そこはすごい楽しみですね。
―この代は4人もプロが出て、互いに高め合うようなところもあったと思うが
お互いすごい意識している部分もある。自分は特に小川優介。同じボランチでお互い意識し合っていると思うんですけど、あいつには負けたくないですし、本当にお互い厳しい世界に入ると思うんですけど、良い報告ができるように切磋琢磨していきたいと思います。
―「小さい選手が―」というところとともに「中体連」の選手にも夢を与える存在となった
本当に中体連だからプロになれないと考えている子もいると思うんです。いまの自分じゃまだダメだみたいに考えている子もいると思うんですけど、本当に歩みを諦めずに信じてやり続ければ結果は出るということを、今後の活躍でも示せていけたらなと思います。
―最後の選手権にかける意気込みを
本当にこれから高校3年間の集大成が始まると思うので、県予選でひとつずつ勝って全国を決めて、全国で優勝できるように、そしてそこからまたプロに良いスタートが切れるように、チーム全員で、個人としても、全力で頑張っていきたいと思っています。
石黒登(取材・文)