昌平高校Jリーグ加入者合同記者会見 全文レポート第2弾 4選手の「プロ入り後の展望」「それぞれの想い」

9日、昌平高校にて来季よりJ1鹿島アントラーズに入団が内定した須藤直輝、小川優介、J2アルビレックス新潟に加入する小見洋太、J3福島ユナイテッドFC入りを決めた柴圭汰の合同入団記者会見が行われた。第2弾では会見が終わったばかりの4選手に「プロ入り後の展望」「それぞれの想い」など、より細かい話を訊いた。

須藤:鹿島アントラーズに入団する決め手となったのはやっぱりザーゴ監督のもと、若手選手が躍動しているというところにとても惹かれました。また山田大樹選手や荒木遼太郎選手、染野唯月選手は高校選抜だったり、日本代表でたくさん関わってきた人たちなので、そういった人たちが身近にいることでいろいろな質問もしやすいと思いますし、自分が先ほど言った海外でプレーするといった面でプロ選手として成長するためには一番良い環境だなと思ったことと、内田篤人選手が引退されましたけど、その引退セレモニーの最後に鹿島アントラーズはすごく成長しやすいところだというのを言っていたので、それがすごく心に響いて鹿島アントラーズを決めました。

また、いま自分のウィークポイントというか、課題であるのはやっぱり決定力というところだと思います。プリンスリーグが開催されていますけど、まだ1点も決めていませんし、10番を背負っている身としてやはり得点といった形で結果を残していかなければプロの世界でも通用しないと思うので、ドリブルをした後のチャンスメイクだったり、ゴールといった面でいまから全力で取り組んでいきたいと思っています。

―鹿島に入団を決める上で不安はなかったか

須藤:やはり最多タイトル獲得数を誇っているチームで、本当に強いなという印象があって、話を聞いたときには緊張しましたけど、でもやはり熱いサポーターやファンの方々のもと、また熱いクラブの方々がいるので、そういう人たちのために自分もサッカーを楽しみながらも熱い気持ちでやっていったら、本当に楽しいのではないかなと思ってアントラーズに決めました。

小川:僕が鹿島アントラーズに入団することを決めた理由は、最初オファーが来た時は本当にびっくりしたんですけども、このチャンスはもう自分には2度と来ないチャンスなのかなと思いました。やっぱり洋太とか須藤とか柴みたいに高校選抜に選ばれていなかった自分もいて、それで自信がない時もあったんですけど、コロナ明けでチームとしても、自分としても自信がついてきた中でのオファーだったので、やっぱり鹿島からオファーが来たというのを自信に変えてやっていこうと思いました。

自分のいまの課題はやっぱり去年の選手権でも出た通りフィジカルコンタクトだったり、ゴールとかアシスト、結果という部分がまだないと思う。やっぱり鹿島でスタメンで出るとなったらそういう部分は必要になってくると思うので、これから努力してそういう課題をひとつひとつクリアしていきたいと思います。

小見:アルビレックス新潟さんからオファーをいただいて、試合を拝見させていただいたのですが、本当に印象としてはJ2の中でも一番良いサッカーをするというふうに思いました。今年から新しいスペイン人の監督なんですけど、本当に後ろからしっかりビルドアップをして、ゴール前もしっかり崩しにかかっていて。結果が出ない時期もあったとは思うんですけど、その中でもアルビレックスのスタイルというのを貫いて、最後結果を出すというところは本当に良いと思って、自分もこの中でやりたいなと思ったのでアルビレックスに決めました。あとは8月末にアルビレックスの施設見学に行かせていただいたんですけど、その時に本当に環境が素晴らしくて、この中だったら絶対に自分は成長できるなと思ったのでアルビレックスに決めました。

僕の課題は決定力だと思います。プロの世界の中では本当にFWとしてもそうですし、結果というのがすべてだと思う。いま結果というのはある程度は出ているんですけど、プロの世界に入って通用するかと言われたらまだまだ通用するレベルに達していないと思うので、そこはもっと練習して結果を出せる選手になっていきたいと思います。

柴:僕が福島ユナイテッドFCに加入を決めたのは、まずもともとプロ志望だったので、そこはどのクラブから来てもまず第一に考えようとは思っていて、実際福島の試合を見たり、施設見学をして、試合を見た印象としては本当に後ろから丁寧にボールを繋いで、ゴール前でも多彩なアイディアで相手を翻弄していくという、観客が見ていて面白いサッカーというか、少しそこは昌平高校と似ている部分もあったので、いままで自分が3年間行ってきたことが生きるかなと思っています。また施設見学をした時に、正直やはりJ3だとあまり環境も良くないのかなと思っていた部分もあったんですけど、天然芝コートが2面しっかりとあったり、寮だったり、ほかのトレーニング施設だったりと、本当に充実している環境だったので、もうすぐに施設見学をした後に福島に入りたいと決めました。

自分のウィークポイントとしてはボール奪取は高校3年間ですごくできるようになってきたんですけど、やっぱりその後の攻撃への展開だったり、判断というのがまだまだ自分には足りない部分だと思うので、そこは残り高校生活も少ないですけど少ない期間でどれだけプロになる前に成長できるか。プロに入ってからはもっと課題も生まれると思うんですけど、そこはひとつひとつ克服していって、本当にステップアップできるようにしていきたいと思っています。

―4選手に。昌平での2年半でこういう指導を受けた、こういうアドバイスを受けたから自分はレベルアップできた、プロへの道が開けたということがあったら教えてください

須藤:僕個人の話になってしまうんですけど、大宮アルディージャJrユースから昌平高校に来る時に僕は高校サッカーに来るにあたって自分のドリブルをもっと強化したいという気持ちで入ってきて、1、2年生の時、少しやっぱりレベルも高くて、自分のドリブルという特徴を見失いそうになった時に監督だったりコーチ陣が「自分の特徴はなんだ」と。自分の特徴を出すことがチームの勝利に一番貢献できることというのを学ばせてもらいました。

本当に監督にはいつもチーム全員言われていますけど、「最後は技術」ということを言われていて、本当にそういった面ではドリブルの技術だったり、パス、シュート、本当にたくさんいろいろな課題がある中でいろいろ練習して身につけてきたこともありますし、自分の特徴であるドリブルも1年の時に比べたらすごく成長していると実感できますし、そういうところは昌平高校に来て学んだところなんじゃないかなと思います。

小川:まず自分が一番成長できた理由というのはBチームの存在があるからだと思います。この間青森山田とそのセカンドが試合をしたというのがあったと思うんですけど、そこでも出ていた通りやっぱりBチームが練習で気をつかってしまったり、手を抜くというのが昌平高校にはない。毎日の練習が本当に本気でぶつかり合っていると思うので、それが一番の自分が成長できた理由かなと思います。

小見:僕がプロになれた理由として思っているのが昌平高校の下部組織のLAVIDAに入ったのが一番大きいと思っています。昌平高校では常に最後は技術というふうに藤島監督からは言われているんですけど、それにリンクするものというのをLAVIDAで徹底的に植え付けられて、戦術もすごく繋がっている部分があるので、スムーズには入れたというのが大きかったと思います。

柴:自分は1年生の夏ごろに3バックの真ん中をやらせていただいていた時期があって、本当にいろいろなポジションをやっていく中で多くの指導者の方々からサッカーの見方だったり考え方、戦術もいろいろと教えてもらって、自分自身もすごい吸収できたというか、さまざまな引き出しがこの3年間で養われてきたと思う。本当に昌平はあまりプレーに決まり事だったり、ルールがないので、そこは試合中どんな状況になってもうまく自分たちで考えて、プレーをするというところではすごく成長できたと思っています。

石黒登(取材・文)

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