夢の海外でのプレーを実現させるために。「2年目でJ3得点王を目指すくらいの気持ちで」鎌田大夢が見据えるプロ入り後の展望
27日、昌平高校にて来季よりJ3福島ユナイテッドFCに加入が内定した鎌田大夢選手の入団記者会見が行われた。第2弾では会見後の鎌田選手に「プロ入り後の展望」「兄を追い越していくためにいま足りないと感じている部分」「選手権への想い」など、より細かい話を訊いた。
―お疲れ様です。緊張した?
緊張しました(笑)。人前で話すの苦手なんで。(この前のプリンス参入戦よりも)今日の方が緊張しました(苦笑)。
―牛島スカウトとは高校3年間も連絡を取り合って
連絡は取ってなかったんですけど、大地を取ったスカウトの人なので、その時から少し顔を合わせて。高校1年生の時の関東予選で1回会って話しました。その時はまだトップで出ていたので。次は3年の春ですね。
―本格的に声をかけられたのは
夏前とかですね。(練習参加は)インターハイが終わってすぐです。
―練習参加でプロの中でやった感触は
できる部分も多くありましたし、でもやっぱり身体を当てられると何もできなくなっちゃって、一番はやっぱりフィジカルが課題というのを感じました。でもやった感じ「できるな」というのは印象としてありました。
昌平高校での3年間。守備に向き合い3年でスタメン奪取
―昌平に来ようと思ったきっかけは
やっぱり大地が高校サッカーをやっていて、高校サッカー選手権に憧れて、高校サッカーをやりたいなと思ったのがきっかけでした。親とかと話をしたりして、昌平高校が良いというのを聞いてYouTubeで試合を見たりして。僕が見たのが針谷くんとか松本泰志くんのやつで、小さくて細いのに、こんなにうまいんだと思ったりして。ここに行ってみたいなと思って練習参加して、やっぱりここでやってみたいということで志望しました。
―2年間なかなかうまくいかなかったというのは自分の中でどのあたりが原因だったか
一番は守備の部分がうまくいかなかったのが理由のひとつかなと思います。もう1年生の頃から「守備」「切り替え」とずっと言われてきて、自分では守備をしているつもりだったんですけどまったくできていなくて、自分はできていると思っていたので何がダメなんだろうと思って、他人のせいにしながらずっとやってきて。ベンチ外になって自分を見つめ直して、やっぱりできてないと思って、意識を変えてやるようにして、少しずつ成長してきたかなと思います。
―うまく相手をいなす術を身につけたのはどのタイミングくらいから
1対1はあまり得意じゃないんですけども、1対1も須藤とか紫藤のドリブルとかを見て、イメージもついて、結構1対1では勝てるようになったことも多くなったし、ボールを運ぶドリブルは1回ボランチもやっていた時期があったんですけど、その時は結構ドリブルで運べと監督に言われたりしていて、それで意識して運ぶようにしていたらうまくいくようになったので、多分夏終わりとかですかね。ドリブルがまたうまくなったと思ったのは。
自分の持ち味としては相手に当られて、その力を利用して、相手を交わしたりするというのがひとつの持ち味だったので、フィジカルがなくても結構通用する部分はあったんですけど、フィジカルをつけろと言われてつけていたらつけていたで、また違ったプレースタイルになっているのかなと思っています(笑)。高校でもフィジカルとか身体を太くしろとずっと言われていたんですけど、なかなかあまり努力しなくて(苦笑)。でもこれからはやろうと思います。
「2年目でJ3得点王を目指すくらいの気持ちで」
―海外でプレーするためには1年目から活躍するくらいの気概が必要だが、1年目に向けて
海外に行っても身体ができていないと何もできないと思うので、まず身体を作って、1年目から試合に関わって、2年目ではもうスタメンで「J3得点王を目指す」くらいの活躍をして、ステップアップチームなので上のカテゴリにどんどんステップアップしていくことが福島への恩返しなのかなと思うので、そこは結果を大切にして、早くステップアップしていきたいと思います。2、3年で福島を飛び出してJ2、J1に挑戦して、その後に海外に出て、大地みたいにブンデスとかプレミアで活躍できる選手になっていくというのが僕の将来像です。
―「ステップアップクラブ」という理念を聞いたことも入団のひとつのきっかけになった
それが本当にひとつの魅力かなと思って、ほかのJ3だったらステップアップできずにそのままJ3で終わってしまう可能性もありますし、福島は本当にどんどん移籍していってくれていいというのは言われているので、本当に挑戦できる、挑戦しやすいのかなと思って、ステップアップというのはやっぱり、挑戦しようと思ったひとつのきっかけでもあります。
―これからプロでどういう選手になっていきたいか
相手にとって一番怖い選手になるというのが自分の理想で、自分の持ち味であるスルーパス、ゴールに直結するパスだったり、ゴールに直結するプレーで相手をどんどん怖がらせて、チームの勝利に貢献できていったらなと思います。
兄・大地を追い越していくために。
―兄・大地を追い越していくために
大地は技術も身長もありますけど、自分には身長がない。技術でさらに大地よりも上を目指すことが、大地を追い越すために必要なのかと思います。
―技術は高3の時の彼にも追いついてきているところもあると思うが
自分のイメージの中では大地の高校生時代は相当うまいっていうイメージがある。試合とかも結構(プレミアリーグの)ハイライトを見たりしていて、やっぱりうまいなと思いました。
―いまの技術面で兄を追い越すために足りないと感じている部分は
やっぱり得点ですかね。大地は高2でプリンス得点王とアシスト王を取って、プレミアでも結構得点も取れていたので、自分に足りないのは得点力、目に見える結果だと思います。でも自分も最近特にゴールに向かうプレーを意識して、練習でも結構強引に打ってみたりだとか、いろいろやっているので、得点力は選手権ではついてくるかなと思います。
目標はもちろん「日本一」。得点など目に見える結果にもこだわる
―選手権への意気込み
やっぱり注目度も高く上がってくると思いますし、それをネガティブに捉えずに自分の良いところ、上手さであったりをより多くの人に見てもらって、鎌田大地の弟じゃなくて、「鎌田大夢」で名前を売って、広めていけたらいいと思います。
選手権はチームの目標である日本一を目指して、個人的にも得点、アシストで目に見える結果を残していきたいです。最後の大会なので全力で自分の持っている力を全部出し切って、悔いの残らないように戦っていけたらなと思います。
―いまは自分にもかなり自信を持ってやれているように見える
コンディションも上がってきていますし、プリンス参入戦や選手権予選で自分のプレーが通用するっていう大きな自信がつきました。まだ最近の練習でもどんどん成長してきているので、選手権では絶対にやってやるぞという気持ちで、通用するとは思うので、自分の良いところを出しながらやっていけたらいいなと思います。
石黒登(取材・文)