関東高校サッカー大会 埼玉県予選 注目の6校

新人大会で新チームが立ち上がった各校。大会は昌平が圧倒的な強さをみせて制覇した。これから始まる関東高校サッカー大会、インターハイ予選に向けて、どのチームが伸びてくるのか。埼玉サッカー通信が注目する6校をピックアップしてご紹介します。

昌平

現時点で一歩抜けている印象だ。インハイ3位に入った代から大きくメンバーは変わったが、新人戦では25得点無失点と圧倒的な力で2年ぶりの優勝を飾った。熟成のグループでの崩しがメインだった昨年と打って変わり、今年は「個」の部分が際立つ。U-17日本代表候補の須藤や主将の大和ら経験値のある選手に加え、紫藤や小見、小川も能力値が高く、最後方では守護神の牧之瀬が立ちふさがる。関東予選でも優勝候補筆頭の1番手だろう。

正智深谷

「打倒昌平」の第一候補は正智深谷か。昨年は8強の壁を崩せずに苦しんだ北部の雄だが、今年は新人戦で準優勝と存在感を見せた。爆発的なスピードで昨年のチームを牽引したオナイウのようなタレントはいないが、守備の山田、攻撃の波多野の2本柱を中心にまとまりのあるチーム。新人戦決勝は昌平に0ー3で敗れたが、前半は相手を押し込むなど手応えもある。10番を背負う波多野は「関東は絶対に負けられない」とリベンジを誓った。

聖望学園

新人戦では4強で敗れたが、2度目の全国も狙える力のあるチームだ。10番をつけるエースの塚田はもとより技術値の高いプレーヤーだったが、メンタル面の向上で今年は大化けの予感も漂わせる。レッズ下部出身のダイナミックFW森田や右ウイングの坂本、途中出場で流れを呼び込む島村など前線のタレントは十分。まだ経験値が浅く、前後半でまったく違ったサッカーを見せるなどムラっ気もあるが、経験を積んで安定感が出てくれば怖い存在だ。

西武台

久しぶりの支部予選からとなった新人戦では西武台らしいパスワークに加えて、準々決勝の成徳深谷戦ではあえて相手のストロングである空中戦や球際の強さで勝負を挑み勝利を掴むなど、施策が見られた。エース格の池田や谷の負傷離脱は残念だったが、「去年は13、14番目と差があった」(守屋監督)という中で大川や森、今田らが安定したパフォーマンスを見せたことはプラス材料。怪我組が戻ってくる関東予選ではどのようなセットアップになるか。

浦和南

昨年は久々の全国の舞台を踏むなど「新しい歴史」のスタートを感じさせた浦和南。今年は「自問自答」をテーマにそれぞれが常に課題意識を持ち、練習メニューなども自分たちで考えているという。選手権で新チームのスタートが遅れたこともあり、新人戦ではまだアタックの構築や細部などに課題は残ったが、そこは今後へ向けての伸びしろとして楽しみな部分。全国で「個」の差を感じたという佐藤は個でも打開できる点取り屋としての覚醒を狙う。

成徳深谷

昨年は新人戦で県初タイトル、関東予選でも勝ち、2冠を達成した成徳深谷。新人戦ではベスト8で西武台にPK戦の末に敗れたが、2戦を通じて失点は0と守備の大崩れはなかった。今年も堅守からの速攻がカギとなりそうだ。前線には独力でも局面を打開できる北原、間中といったタレントがいるだけに問題はいかにそこにボールを配球するか。そのためにもまずは攻守に走り回った昨年の先輩たち以上の「ハードワーク」で相手を上回りたい。

石黒登(文)