今年卒業する選手達はどこへ「埼玉の選手達の卒業進路」2016年度
選手権も終わり、今春新たな一歩を踏み出す高校、大学生たち。今回はプロ入りした選手も含め、今年卒業する埼玉の選手たちの進路を追った。
埼玉育成年代からは7人がJ入り!
今年度は高体連、Jクラブユース、大学含め7人がプロ入りを果たす。まず高体連からは昌平高校のMF松本泰志がサンフレッチェ広島に、MF針谷岳晃がジュビロ磐田に、本庄第一高校のFW小林祐太がザスパクサツ群馬に入団を決めた。(小林はアマチュア契約)
高体連編
広島入りを決めた松本は東松山市の出身。江南南サッカー少年団、クマガヤSCを経て昌平高に入学、1年時からレギュラーとして活躍し、その年の全国高校サッカー選手権でも起用された。10番を背負って挑んだ昨夏の全国高校総体(インターハイ)では、初出場のチームを牽引し4強入りに貢献。自らも3得点を挙げ、大会優秀選手に選ばれた。
最大の武器はカットインからの得点感覚。クラブからは「足下の技術が高く、ゲームをコントロールできるMF。鋭い得点感覚と創造性あふれるパスも魅力で、相手ゴール前で大きな仕事ができる」と評価を受ける。
すでにトレーニングマッチでは初ゴールを記録、先日のゼロックス杯の前座試合では高校選抜の一員として4点目をアシストしてみせた。前線にタレントの揃う広島で1年目から出場機会を奪えるか?
一方、磐田入団を決めた針谷は久喜市の出身。茨城県のFC古河を経て昌平高にやってきた。昌平高では青森山田中学で柴崎岳(スペイン2部・テネリフェ)らを育てた藤島崇之監督のもと、ボランチとして開花。まだまだ線は細いが、一度ボールを持ったら放さないキープ力と展開力は大きな武器で、獲得に当たった加藤久ジュビロ磐田前GMからは「イニエスタやシャビ、川崎フロンターレの大島選手のような要素を持っている」と評された。
全国3位に輝いた高校総体後はU-19日本代表にも選出。8月のSBSカップでは出場も果たしている。
また、高校総体2回戦で優勝候補・東福岡高校を沈めた直接コーナーキックなど、キッカーとしても優秀で、名波浩監督、中村俊輔と新旧名キッカーが揃った磐田で、さらなるレベルアップに期待がかかる。
尾山台イレブンスポーツ少年団、見沼FC、本庄第一高を経て、J2群馬入りを決めた小林はスピードが持ち味のFW。新人戦では決勝で昌平高に敗れたものの、北部支部予選から準々決勝の浦和南高校戦まで7試合連続ゴールとチームの準優勝に大きく貢献した。
今回、群馬と結んだのはアマチュア契約となるが、大学・高校の違いこそあれ一昨年の江坂任、昨年の瀬川祐輔(現在はともに大宮アルディージャ)もアマチュア契約からシーズン途中でプロ契約を勝ち取り、ルーキーイヤーで躍進を遂げただけに練習からアピールしていきたいところだ。