選手権を盛り上げた優秀選手たち
全国高校サッカー選手権埼玉県大会の優秀選手を紹介する。
GK
正野友稀(浦和南)
全国の経験から守備範囲を広げた守護神は大会を通じて好守を披露。成徳深谷のセットプレー攻勢に対しても前に出て零封、今大会で許した失点は決勝の1点のみだった。初の選手権は「また成長した姿を見せられればいいと思います」。
深澤颯人(武南)
1年から武南のゴールを守り続けてきた深澤。背番号1、主将として臨んだ最終学年。3回戦で昨年の準優勝校を下したが、準々決勝で浦和南の前に力尽きた。目標としていた舞台には届かなかったが、堂々と高校サッカーを終えた。
DF
関根浩平(昌平)
準決勝に続き、決勝でも逆の瞼の上を切るなど不運もあった中で最後までピッチに立ち続けたが、再びの出血でピッチアウトしたタイミングで失点し「本当に情けない」と悔やんだ。この悔しさはリーグ3連覇、そしてプリンス昇格で晴らす。
堀江貴大(昌平)
今大会も抜群の突破力を生かして左サイドを席巻。右サイドバックの吉田とともに昌平の両サイドのオーバーラップは大きな武器だった。決勝でも前半はオープンなスペースをついてシュートやクロスなど、積極果敢にゴールに迫った。
成澤圭梧(成徳深谷)
ディフェンスラインの高き壁として、武器とする長谷のロングスローの場面ではニアサイドのポイントとして相手の脅威になり続けた。サッカーはここで一区切りということだが、今年の堅守・成徳深谷を象徴する選手のひとりだった。
河村祥栄(西武文理)
時に熱く、クレバーに最終ラインに立ちふさがった河村。2回戦では関東大会出場の立教新座の攻撃を0に抑えるなど、初の選手権8強に大きく貢献した。「闘将になりたい」と語っていた青年は、今大会間違いなく文理の闘将だった。
庄司千暁(浦和南)
「失点に絡んだので取り返そうと思っていました」。1−1で迎えた昌平との決勝、後半31分。セットプレーのこぼれ球に右足を振り抜いて浦和南の新たな歴史を作った。守備でも相馬とともに最後きっちりと身体を寄せ、赤い壁となった。
MF
原田虹輝(昌平)
大きな注目を集める中で挑んだ今大会は、相手のカウンターを摘み取って逆に攻撃に繋げるなど守備面で進化を発揮。準決勝では狭いエリアを崩して自らゴールを奪うなどらしさも見せたが、決勝で敗れ再びの全国とはならず。それでも「やってきたことに後悔はない」と振り返った。
木下海斗(昌平)
今年はミドルシュートへの意識を高めた中で、準々決勝の正智深谷戦では森田のヒールパスから決勝ゴール、準決勝の浦和東戦ではやはり森田との連携から2戦連発とゴール前で危険な香りを放った。正智深谷戦では守備でも貢献した。
渋屋航平(昌平)
大会を通じて持ち味のひとつである前線からの守備で貢献。準決勝の浦和東戦ではDF関根が額を切っていた中、最前線からしっかりとファイトしてディフェンスラインの負担を減らした。ただひとつ、ゴールだけが足りなかった。
鹿又耕作(浦和南)
最終ラインと中盤を繋ぐ浦和南のリンクマン。決勝は先に失点をするも、すぐに追いつくと、鹿又のフリーキックから仲間で繋いで逆転。終盤も身体を張った守備で栄冠を掴んだ。「もう完璧すぎる、想定もしてなかったようなシナリオでした」。
大坂悠力(浦和南)
決勝は先制された直後のPKを落ち着いて流し込むと、終盤に迎えたフリーキックではイーブンのボールを魂のヘッドで決勝アシストした。全国へは「観客も相手も驚くようなパスだったり、ドリブルをして注目されたいですね」と意気込み。
佐藤蒼太(成徳深谷)
今年躍進したチームを主将として牽引。常に挑戦者魂を持ちながらタフに戦って成徳深谷サッカーを体現したが、決勝進出とはならず。「現実は厳しいものがあった。でもこの後の人生は長いし大切。そこで生かせるようにしたい」。
中野音央(浦和東)
2回戦の伊奈学園戦は先制される中で指揮官が「プレミアリーグのような」と形容したスーパーゴールで勝利に貢献。準決勝で敗れ2年連続のベスト4に泣いたが、キャプテンとして攻守にわたってチームを力強く引っ張った。
オナイウ情滋(正智深谷)
準々決勝の昌平戦では後半にポジションを移すと、気迫溢れるプレーで何度もサイドを仕掛け続けたがあと一歩及ばず。「みんながあいつと関われて良かったなと思えるような人になりたい」と次のステージでの活躍を誓った。
髙橋豪(市立浦和)
今年は春先の負傷で長期離脱となった中で、選手権はチームの3年ぶりの8強進出に貢献。一般受験から今年プロ入りを決めたOBのように「4年後にしっかりとプロになれるように、この経験を生かして頑張りたいと思います」。
FW
森田翔(昌平)
準々決勝・正智深谷戦の絶妙ヒールでのアシスト、準決勝の浦和東戦では3得点すべてに関わるなど、大会を通じて4戦で3ゴール、3アシスト。決勝こそネットを揺らすことはできなかったが、ゴールに一番近い存在だった。
小川翼(浦和東)
「声、球際、競り合い、そういう気持ちの部分で負けたらダメ」。今年は常に「浦東らしさ」を追求し続けた浦和東の10番。エースの自覚を胸に準々決勝の西武文理戦は勝負を決める2点目を挙げ、特大のガッツポーズを見せた。
石黒登(文)