[選手権]昌平DF伊藤隆寛主将「感謝と憧れ」を胸に堂々の選手宣誓、全国への強い決意
10月12日に開幕する第104回全国高校サッカー選手権・埼玉県決勝トーナメントの開会式と公開抽選会が22日に埼玉スタジアムで行われ、昌平DF伊藤隆寛(3年)主将が選手宣誓を務めた。幼少期から憧れてきた舞台への思いを込め、「感謝」と「憧れ」を軸に言葉を紡ぎ上げた。
伊藤は「幼い頃から憧れてきた選手権という舞台に立ち、最高の仲間と大好きなサッカーができる喜び、そして誇りを胸に今日という日を迎えました」と語り出すと、会場の空気が引き締まる。
続けて「私たちは埼玉県の頂点を争うライバルでもありますが、同時に同じ夢を目指し、日々ボールを追いかける友でもあります」と力強く言葉を重ね、敵味方を越えたリスペクトを示した。
さらに「互いに尊重し合い、フェアプレーの精神を忘れず、長い歴史と伝統を紡いできたこの大会でプレーできることに感謝します」と宣言。日々支えてきた家族や指導者、仲間、そして大会運営関係者への感謝の言葉を届けると、「かつて私たちが抱いた憧れを次の世代の誰かに感じてもらえるよう、そしてサッカーを愛するすべての人に私たちのプレーが感動を与えられるよう、試合終了のホイッスルが鳴るその瞬間まで、全力で戦い抜くことを誓います」と締めくくった。
宣誓文を考えるうえで、自然と「感謝」と「憧れ」の2つの言葉が浮かんできたという。「自分たちが小さい頃に見ていた選手権のように、見ている人に感動や憧れを与えたい。その思いを込めました」。大役を終え、「緊張したけど、噛まずに言えてよかった」と安堵の笑顔も見せた。
今夏のインターハイでは準々決勝で大津に0-5で敗れ、全国の壁を痛感。「あの負けで全国との差を感じた。甘くないと思ったし、逆に闘争心じゃないですけど、絶対に勝ってやろうという気持ちも強くなったので、あの負けから成長した姿をまた見せられればと思います」と話す。
昨年はインターハイで日本一を掲げた中で選手権予選ではまさかのベスト8敗退。だからこそ、「まずは初戦の準々決勝から。油断は全然しないですけど、去年みたいなこともある。もう少し期間があるので、プレミアリーグだったり、インターハイの反省をしっかりと生かして、隙のないチームで初戦に臨んで、絶対に全国出場したいと思います」と意気込みを語った。
以下、伊藤の宣誓文
「宣誓。私たちは、幼い頃から憧れてきたこの選手権という舞台に立ち、最高の仲間と大好きなサッカーができる喜び、そして誇りを胸に今日という日を迎えました。
私たちは埼玉県の頂点を争うライバルでもありますが、同時に同じ夢を目指し、日々ボールを追いかける友でもあります。互いに尊重し合い、フェアプレーの精神を忘れず、長い歴史と伝統を紡いできたこの大会でプレーできることに感謝します。また、日々支えてきてくれた家族、監督、コーチ、仲間、そしてこの大会の運営に関わるすべての方々へ心から感謝します。
かつて私たちが抱いた憧れを次の世代の誰かに感じてもらえるよう、そしてサッカーを愛するすべての人に私たちのプレーが感動を与えられるよう、試合終了のホイッスルが鳴るその瞬間まで、全力で戦い抜くことを誓います」。
石黒登(取材・文)