県1部得点ランク1位、異色のFWがゴールを量産中! 入間向陽FW浅香果穂は本庄第一戦もチームを勝たせる1本を狙う

「自分の強みはスピードを生かすプレー。いつでも常に裏は狙っていて、それがゴールに繋がった。毎試合1点は必ず取りたいと思っているので、今日は2点決められたので良かったです」。

入間向陽FW浅香果穂(3年)は後半17分、MF池浦史奈(2年)の斜めに刺すパスをエリア内で正確にトラップして左足で落ち着いて決めると、その5分後に裏に抜け出しシュート。これは惜しくもバーに当たったが、こぼれ球をしっかりと詰めて2点目とし、ゴールショーを締めた。

浅香は今季、県1部リーグでも4試合を消化して11点を決めて得点ランキングトップを独走中。もともと身体能力は高く、好機まではつけてはいたものの、シュートを決めきることが出来ずにいたが、「キーパーと1対1になってもきちんと決めきるという強い気持ちを持って、シュートを打てるようになった」と、メンタル面で成長したことがゴール量産に繋がっているという。

そんな浅香は「高校デビュー」組。中学生年代まではバレーボールをやっていた。「小学生の時からずっとサッカーをやりたかったんですけど、ほかの習い事があったので、サッカーが出来なくて、高校は絶対にサッカーをやろうと思って、サッカー部のある高校を選んで入りました」。

最初のうちは「ついていくのがやっとで試合に出ることは考えられなかった」というが、酒井昌弘監督から「お前の強みはスピードだ」と言われたことで自分の武器に気づき、それを生かすために自主練を積んでいまのスタイルを身につけ、1トップのレギュラーポジションを掴んだ。

ちなみにバレーボールでの経験はサッカーでも生きているそう。ヘディングはもちろん、「やっぱり下半身をバレーはよく使うので、下半身の強さはそこから来ている。一歩目のスピードがバレーは大切なので、そこも一歩目のスピードは生かされているのかなと思います」。下半身の強さはボディコンタクトに加え、いま浅香が武器としている裏抜けの初速の速さに繋がっている。

準々決勝では学校総体覇者・本庄第一と戦う。「本庄第一は強くて、個人の能力も自分たちよりも上なんですけど、こっちが粘って、粘って、自分が1本のパスで裏に抜け出してシュートとかもあるので、そういうところはちゃんと狙って勝ちたいです」。ゴールゲッターとして自信をつけるストライカーが女王相手に数少ないチャンスを決めきって、チームを関東大会出場に導く。

石黒登(取材・文)