[選手権]川越MF柊原康、豪快ヘッドで決勝点。持ち味の短距離スプリントで先制点にも絡む
想定外の球質にも焦らず、決めきった。川越MF柊原康(3年)は1-0で迎えた前半27分、FW桑原守生(2年)の左クロスに走り込み、ヘディングで追加点。相馬貴彦監督も「今日のヘディングシュートなんかは見たことない」と話す、豪快な一発がこの日の決勝ゴールとなった。
「芝なので(土の時とは違って)ボールの下に足が入って、球も高く上がって、スピードもついていた」。無回転ぎみの難しいボールだったが、「とりあえず頭に当てることを考えた」とコースに潜り込み、ヘディングシュート。ボールはクロスバーに当たりながらゴールに吸い込まれた。
「基本的にはクロスからのあれは叩きつけたい」とした柊原だが、クロスの上げ方、入り方はフリー練習でずっとやってきた形。「クロスに対して早めに入っちゃうと、相手がマークしやすい。相手の死角からちゃんと入って、しっかり飛んで先に触る。イメージ通りだった」と振り返った。
また、1点目でも持ち味が光った。得意とする短距離スプリントで裏のスペースに抜け出し、腰をひねりながら果敢に左足でシュート。キーパーが弾いたボールをFW岩崎士廉(3年)が押し込み、チームを勢いづけた先制ゴールについては「自分のやりたいことを体現できた」と話す。
2点に絡んだ柊原だが、自信を持っているのは相手SBに入った時などでボールを刈り取る前線からの守備。一方でこの日は「走れなかったですね」と反省も口にする。ディフェンスに行く場面と行かない場面、切らなければいけない場面で外されたり、足を攣らせる場面もあっただけに「ただ走るんじゃなくて、もっと常に考えながらやっていけたら」と次に向けての課題も語った。
「次の相手はしっかりサイドバックを絶対に潰して、去年の先輩の雪辱を果たしたいです」。持ち味の前からの守備にもこだわりながら、昌平の湘南内定MF山口豪太(3年)に憧れるサイドアタッカーが攻守で躍動し、先輩たちの想いも背負って2大会ぶりの2次トーナメントに導く。
石黒登(取材・文)