「まずは自分が」自覚を持って臨む武蔵越生の10番、FW眞崎瀧星は全5試合でゴール記録!
武蔵越生の10番、FW眞崎瀧星(2年)は新人戦支部予選全5試合でゴールを記録。「全試合で自分のフルが出せたわけじゃないんですけど、全部の試合で決められたのは良かった」と話した。
今支部予選は初戦となった2回戦の所沢北戦、3回戦の坂戸戦、準々決勝の細田学園戦で1ゴール。県大会進出をかけた準決勝の朝霞戦でも2ゴールを挙げるなど、ゴールを積み上げていた。
支部優勝をかけた狭山ヶ丘との決勝は、前半なかなか武器のドリブルのキレを見せる場面が少なかったが、「ベンチで井上(精二)監督が盛り上げてくれて、その分、自分がベンチの人とか、全部を盛り上げていこうっていう気持ちで後半に挑んだ。「自分がまず点を決めないと始まらない」ので、そこからやってやろうという気持ちでした」というエースが後半、試合の均衡を破る。
7分、FW森一馬(2年)のパスを受けると、大きめのタッチで相手をおびき寄せペナルティキックを獲得。「合宿とかでもPKで負けることが多かったので、いまずっとPKの練習をしていて、練習している成果が出たかなって」。キーパーも反応していたが、左隅のここしかないコースに突き刺し今大会6得点目。これを皮切りに武蔵越生は3得点を重ね、支部制覇を果たした。
「自分の武器は推進力があると思っていて。自分が持ったら、周りが「何かしてくれる」っていう気持ちにさせるために、前を向いて、この推進力の武器を出していけたらなと思っています」
今予選も前を向き、テクニカルなドリブルで仕掛けてチームを牽引。一方で「もっと全然できます」。最近は筋トレの成果も出て、身体の使い方もうまくなったと実感しているという中で、「背負って取られることはあまりなかったですけど、前を向いて仕掛けるっていうところでいうと相手との距離が近くなって取られちゃうっていうシーンがあったので、もうちょいそこは判断を速くして、今後やっていけたらなと思っています」と背負ってからの仕掛けを課題に挙げた。
186cmの長身FW森との補完関係の2トップは、間違いなく今年のチームの売りのひとつだ。今大会も森がキープした裏に眞崎が走り込んだりと連動した動きも見せていたが、「もっと高みを目指すためには、2人の関係性がさらに必要になってくる。森くんがどこに動いたから俺もこう動くとか、そういう考えをもっと豊かにして、イメージを増やしていけたらなって」と話す。
昨年は「自分のサッカーに納得がいかなくて…。結構病むっていうか、チームに迷惑をかけているんじゃないかっていうのを感じちゃって…」。一時はサッカーをやめようというところまで落ちていたという。それでも昨年の選手権予選でチームが市立浦和に逆転負けするのを見て「自分は外から見ていたんですけど、やっぱり悔しいなっていう気持ちになった」という眞崎は「自分の代なので。自分がやっていかないといけない」と強い想いを持って最後の1年に臨んでいる。
県大会に向けては「まず自分と森くんが点をバチバチ取ること。守備は吉野(大輝)くんとかに頼んで、自分らはもう点を取るしかないので」と話した後に「森くんじゃなくて、まずは自分が点を決めます」と語った。「まずは自分が」と話す10番がプレーで、そしてゴールで牽引する。
石黒登(取材・文)