昨年からの主力がほとんどで今年は躍進も狙う花咲徳栄。そのひとりであるFW西尾優輝（２年）は今年、自信を持って「ストライカー」と名乗れる選手となって、夢のスタジアムを目指す。

支部決勝の春日部戦では前半18分、エリア内でディフェンスを背負うと「あそこは自分が決めると強く意識していて、もうゴールしか見ていなかった。相手に当たってもいいと思って振り抜きました」。鋭いターンから右足を強振しゲット。そしてこれがこの日の決勝ゴールとなった。

その後もゴールに迫り続け、後半もポスト強襲のシュートなど、前後半合わせて両軍最多の６本のシュートを放った西尾だが、追加点を奪えず。「シュート本数が多かった中でその１点しか取れなかった。もっとシュートのところを練習して、決定力を増やしていきたい」と課題を語った。

昨年もトップのポジションで上の学年を相手に奮闘。「監督にはもうちょっとがっしりしてと言われるんですけどね」と苦笑いするように身体もそこまで強いわけではないが、しなやかさがあり、ボールを収めることやそこからスルスルと抜けていくプレーは武器。もともと小学校時代はCBで「CBから見て、FWはこういう動きをするんだなっていうのは学んでいる。自分がCBだったからこそ、この選手嫌だなっていうプレーをちょっと真似したり、意識しています」と話す。

「やっぱり自分の夢はスタジアムに行くこと。そのためにパワーをつけて、最後素晴らしいところでできたらいいと思います」。新人戦、関東大会、インターハイを経て選手権であの舞台に立つことが目標。そのためにも「もうストライカーって名乗れるような選手になりたい」。どんな時もゴールひとつでチームを奮い立たせるストライカー。そんな選手に今年１年かけてなる。

石黒登（取材・文）