持ち味を発揮し後半2得点!浦和西FW井上裕斗は常に意識する「オフの動き」で翻弄

「自分は常にオフザボールの動きを意識しているので、そこの部分で相手を翻弄していきたいと思います」と話していたフォワードが支部決勝で持ち味を発揮し、2ゴールで勝利に導いた。

前半は相手の守備が整っており、なかなかシュートまで持って行くことができなかったが、浦和西FW井上裕斗(2年)は「後半はやっぱり相手も疲れてきて隙が出るなと思っていたので、しっかり背後をどんどん抜け出して、相手にとって嫌なことをやっていこうと思っていた」と話す。

すると7分だ。ディフェンスと距離を取りながら駆け引きすると、FW内田遥斗(2年)のスルーパスに抜け出す。「ウッチーはすぐに見てくれる。(内田が)前を向いた時に「こっちに出るな」と。しっかりラインを見て裏に抜け出せた」。最後はキーパーとの1対1を冷静に流し込んだ。

その後も「オフの動き」で相手を翻弄。味方のパスを引き出してはゴールに迫った。「自分は足下で勝負するタイプの人間じゃないので、体力を生かしてどんどん狙うっていうのは中学の頃から意識してやっていた」。高校年代ではコーチ陣から「相手を見てサッカーをしろ」と教わり、「相手がどういうプレーなのかを考えて、次どう動こうとかを考えるようになった」という。

チームの先制点を奪った井上だが、ベンチ側で喜びを表現したこともあり、応援席側からは「もう1点取って、こっちに来いよ!」という声も。「だから必ずもう1点取ろうと思っていた」。

そして28分、MF坂田陸(2年)の左コーナーキックに「キーパーの前が結構スペースがあったので、確実に頭で流し込みました」。ゴール前のギャップに入り込み、ヘディングでゲット。「応援してくれる仲間がいて、自分たちもできるので、仲間のためにしっかり行かないといけないなと思ったので、決められて良かったです」。今度は応援席の仲間たちと喜びを分かち合った。

次週からはいよいよ県大会の戦いが始まる。「相手は格上ばかりですけど、そこでもやっぱり「浦和西高校強いんだぞ!」というのを証明してどんどん這い上がっていきます」と話す9番は、得意の裏抜けはもちろん、個でももっと運び出しながら、「仲間を救う点」を決めて勝利に導く。

石黒登(取材・文)